おまけ4 - EVE 様
「おい! いい加減に戻って来いよ二人とも!! そういうのはおまけでやれっ…て、え??」
「ようこそ、今回のゲスト『大草君』。主催者として歓迎するよ。」
出場停止処分が解けた作者『EVE』が、嬉々として彼をもてなす。久々の登場に普段よりいくらか機嫌がいいようである。当人曰く、『当社比120%』だそうだ。
…どうでもいいこ「どうでもよくないよ!!」とだが。
「…さて、最近とみに冷たいナレーターはほおっておいて、このたびは原作で●地君と微妙にキャラがかぶって後半とってつけたような出番しか与えられない大草君に登場いただいたわけさ。」
「そんなことより、ここはどこだよ!」
先ほどまで友達二人と仲良く登校していた彼は、いきなりこんな異空間へつれてこられてひどく動揺している。
「お、大草君!?」「東城!?」
ここで、前回かなり間違った成長を遂げた『東城綾』が突然現れた大草に声をかけた。
「東城! ここはどこ? 何で急にこんなところに…」
「それが、わたしにもよ「ここがどこであるか、そしてどうやってここに来たのか、君達にはそれを知る必要はないし、知ったとしてどうなるものでもない。」く…」
「「…………………」」
二人の会話を切り裂く、冷徹な言の葉。しかしそこには厳然とした事実の存在。
場が、凍りついたかのような沈黙につつまれた。
「…ま、真中君はどうなったんですか!?」
しかし、その沈黙は一人の少女によってあっけなく破られる。
いや、少女はもはや『少女』ではない。
日常を塗りつぶした非日常。あの日、あの場所で、彼女はモラトリアムを破棄した。
いや、せざるを得なかったといったほうが正しい。
だが、過程はどうあれ彼女は直面した危機を乗り越え、年齢からしてみれば甘受して当然の猶予期間を一足飛びに飛び越して、一人の『戦士』に成長したの「うわっ! 何だよその裏設定!」…だ。
このとおり
「は!? わたしいったいなにを…」
信じられないといった表情で呆然とする綾。
おまけらしからぬシリアスな展開かというところで、そうは問屋が卸さないようだ。
これはあくまで、『おまけ』。それ以上もそれ以下でもありはしない。
「hahaha! いいね、これで君も立派なおまけ職人さ!」
「ゎ、私…イヤァーーー!!」「東城! しっかりし「さぁ! 勢いで次回予告行ってみよう!!」ろ…」
相手が落ち着きを取り戻す時間を与えない。そして急な展開で話のペースを握る作者。なかなかに外道役がさまになってきた。
「じ、次回予告!? なんだそ「さぁ〜て、次回の真中君は!?」…れ!?」
綾です。桜も終わり、木々の葉が日ごとに青々としてきました。ですが、それら季節の移り変わりも花粉症の方々にとってはなかなか楽しみにくいものかもしれませんね。そして今年も、涙とハンカチの欠かせない出来事に出会いました。
次回 「淳平、リコーダーがへし折れる。」
「つかさ、リモコンと携帯を間違える。」
「大草、心のむこうに。」の3本です。
(さ●えさんかよ!! しかもおれだ…け…ハ!! なんだそのまなざしは!?」
「「じ〜〜〜〜」」
「つ、つっこまないぞ! 俺は突っ込み役なんかじゃないんだからな!」
「どうしてそういうこというの?」
「あ、あやさん!? あなたまで…ってちが〜う! おれは天●とかぶってなんかいない!!そうだよ個性だ! というか個性って何だ!?」
やっぱり気にしていたらしい。
「思春期における個性という命題、これも青春よね!」
「あ〜そういえば、最近筆が進まないんだよねぇ〜。」
「「ほったらかしかよ!!」」
…いい感じにあったまってきたところで、今宵もおまけの宴を始めましょう。というか、ぶっちゃけあほな三人はほっといて話を進めたい。
「「「裏切ったな! 父さんといっしょで僕(私)の心を裏切ったな!!!!」」」
こいつらさっきから息が合ってきたな。
「それでさぁ、おれ的にはもう少し扱いよくしてもらってもいいんじゃないかなと思うんだよね。第一俺の名前って結局何なのよ? 公式HPにも載ってないんだけど?」
「あはは、それはまた傑作だね。」
「じゃあ、私達で勝手に決めてしまっていいのかしら?」
「お、それいただき!」「いいとおもうよ?」
しかもなんか仲良くなってるし。
「カクリコンなんてどう?」
なんだそれは。
あいかわらず、あっち系にクリティカルなのを持ってくるなこの女。
だが、ふつうありえ「いきなりシュールだな。」「なかなかレトロだね。」な…え!?
「あ、それでいくと相棒がジュリドとかになっちゃう?」
「そっか、そういえばそうだね。」「いいところに気付くね、きみは。」
な、何だこの疎外感。これが孤独なのか…
あ、あのみんなそろそろ話をね、すすめ「あの頃はよかったよね?」て…「そうそう…」
…………… いや、だからさ、はなし「ちがう、ちがうよ、あそこはさ…」「そっかぁ、あ、そう言えば…」
私を見て!!!
「というわけで、ナレーターがすねてしまったから、そろそろあとがきを始めようか。」
「そうだな。」「そうですね。」
「今回のテーマは真中淳平の周りの環境との出会いです。まず、彼のまわりの環境をいかに正確に読者に印象付けるかに気をつけました。彼の日常生活だけでなく周囲の人間関係や性格などをできるだけ丁寧に書いてみたつもりですがいかがだったでしょうか? ただ描写を多くしたことで、快適なテンポやリズムを阻害しないようにするのに苦労しました。次に出会いですが、メインである東城綾だけでなく、母親や友人達との関係もできるだけ理解していただけるようにしました。個人のルールとして、台詞やアクションの描写のあるすべての登場人物はたとえ名前がなくとも感情や動機などを作者なりに納得した上で書いていこうと思います。ありえない登場やありえない動きの中にもそれなりの動機と解釈を込めれたら、と思います。」
「裏話として小宮山の退場ですが、これは、西野つかさを登場させないためです。彼が学校に残っていると何かとその後の原作にあったイベントを回避できないので退場していただきました。西野つかさが当日のパンツをぶっちゃけたりするシーンや真中が彼女を例のいちごパンツの少女と間違うのも作者的に納得いかなかった為です。もちろんこのまま小宮山がいなくなるとか、西野つかさが登場しないということはありませんのであしからず、彼女には別な登場を用意しておりますのでお楽しみに。」
「ナレーター、かえってこないな。」
「結構ナイーブなんですね。」
「彼が、いないとまるで暗闇の中で話しているようだねぇ。」「そうですね。」
「やっぱり地の文っていうのは大切なんだな。」「失って、改めて大切さが分かるということだね。」
「帰ってきませんね。」「そうだね。」「これからどうする?」
「このまま終わるかい?」「じゃあ次か「あ〜!!」い…な、なに?」
「真中君はどうなったんですか!?」
「あ〜、真中君? 真中君くんはねぇ〜…」
「なんで、そこで視線をそらせて、顔を斜め下に傾けるんだ?」
「そんなことはどうでもいいから!? 真中君はどうなったんですか!?」
「ど、どうでもいいって、またかい? ちょっと傷ついたよ?」
「聞かれたら困ることでもあるのか、落ち着かない作者…ってなんだよ、ツッコミ役の次は状況解説かよ!?」
「キャラが固定されないとどうも便利に使いまわしちゃうんだよねぇ。モテキャラだけだと微妙にパンチきかないし、それにモテキャラ他にもいるし。」
「大事なモテイベントもそんなになか…ってそれもどうでもいいから!! 真中君、真中君、真中君!!」
「俺って、どうでもいいキャラなのか…」
「ほ、ほら、綾君、大草君がいい感じにすすけてしまったよ? だか「真中君!!」ら… ふぅ、その、実に、言いにくいのだけどね、真中君は前回の終わりに不慮の事故にあって……」
「そ、そんな…」「お、おい、まじかよ…」
「今は少し遠いところで療養中だよ。」
「私、お見舞いに行ってきます!!」
「あ、ちょっとまった! まだ次回よ〈ぷす〉… あふん―――パタリ」
「きゃぁ! ど、どうしたんですか? …大草君?」
「い、いや? しらないよ? 行方不明のナレーターガドコイッタノカナインテ…HAHAHA」
「で、でも…」
「やつのことはこっちで何とかしておくから、東城は早く真中のところへ行ってあげなよ。」
「え? う、うん。わかったわ。ありがとう!」
「そしてどこかへ駆け去っていく東城綾…か。まったく、俺ってこんな役ばっかりだな。でも、この場は守ってみせるよ、俺には代わりがいるからな…」
大草はそうつぶやき、決意のこもった瞳を虚空を睨んだ。
「ナレーター?」
つきあう。
「いい性格してるぜ、あんた。」
おたがいにな。
「それじゃあ、受け取ってほしい。俺達二人のメッセージを。」
次回予告
東城綾、彼女は見つめていた。
その視線にさまざまな思いを込めて。
東城綾、彼女は人知れずものがたりを紡いだ。
その筆に、さまざまな思いを込めて。
それらは誰にも知られることのない彼女の秘密。
それらは、誰にも踏み込ませない彼女の聖域。
そして秘密の蓋が開くとき、そこにあるものは何か。
次回、 Life is ... appendix 「その肩に、そっと。」
嫉妬、誰もが持つ感情。
おれも、あいつも、そしてきっとあの子にも。
手に入らないからこそ『ほしい』と思う。
それは、近づこうとすれば遠く離れていく。
そして、離れようとしても近づくことはない。
まったく、思いどおりにならないよな。
でも、だからこそ『ほしい』と思うんだ。
次回、「jealousy -嫉妬-」
二本立てでお送りします。お楽しみに。
初登場につきキャラ設定
大草
本当に名前が分からない。しかも微妙にキャラが把握されてない『かわいそうな』やつ。
しかし、クール、美形、意外にも友達思いの熱いやつ、となかなかの高スペックマンである。
これからの物語によってどういった方向性で行くのか今もなお検討中。
実はアヤナミスト。
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