第三章
1
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・」
小さな綾の身体が大きく上下する
身体は熱く火照り、全身からほのかに汗をにじませている
例えようのない快楽
身体の中心からジンと来る熱い感覚
突如訪れたその高みに、綾自信、何が起きたのか把握するのにとまどいがあった
「東城・・・大丈夫?」
意識が一瞬消えそうな中、淳平の声で現実に戻される
「えっ?あ・・・真中く・・・ん・・・」
綾がイッたことを確信してる淳平は、自分が気持ちよくさせることが出来たという満足感とともに、綾に対しての一層の愛情を抱き、優しく見つめ続ける
綾は淳平の顔を見ると、安心したのであろう。
両手を淳平の背中に回し、ギュッと力強く抱きしめた
「東城・・・??」
「真中くん・・・
なんかね・・・・
今・・・
すごく・・・
気持ちよかったの・・・」
綾の言葉は、淳平の脳への刺激を繰り返す
2
「東城・・・
それってイケたってこと?」
知っていながら、敢えて綾の口からその言葉を聞きたいという欲望に駆られる
「え・・!?あ・・・・えっ・・・・・・と」
イクという言葉に全てを把握した綾。
(い、今のが・・・
イクってことなの・・・・?)
小説などでたまに目にする言葉。全ての絶頂。
確かに、今の快楽を言葉で表現するならば、イクという言葉が当てはまる。
(なんか・・・
イクってすごいんだ・・・)
潤んだ瞳で淳平を見つめ、恥ずかしそうにコクンと小さく頷く
「良かった・・・
気持ちよくなってもらえて・・・」
淳平の優しさが伝わる
(あ・・・でも・・・
真中くんは どうなんだろう・・・)
ふと淳平の事を考える
先ほどから、太腿や、お尻に当たる淳平のそれ自身
それが何であるのかは、承知している
(やっぱ・・・そうだよね・・・
あたしがしてもらったように・・・・
真中くんにも・・・
気持ち良くなって欲しい・・・)
3
意識がまだ朦朧とする中、
綾は淳平にキスを求めると、そっと片方の手を、淳平のソレに向かって移動させる
「えっ!?と、東城・・・」
綾の突然の行動に戸惑う淳平。だが、拒否よりも何よりも、もたらされる快感が一気に淳平を襲い始める
「うっ!はぁっ・・・!!」
トランクスの上から、優しくゆっくりと淳平を撫でる綾
(す、すごい・・・
真中くんの・・・
固くって・・・
熱い・・・)
初めて触る男性自身に綾は驚きを隠せない
だが、自分が触れるたびに、淳平の口から漏れる気持ちの良さそうな声。
自分が淳平を気持ちよくさせている
その事が、綾の行動を徐々に後押しをする
トランクスの上からでもしっかりとした形を形成している
その形に沿って、綾は指をつまむようにしながら這わせ、そして時折軽く握り締める
「うぅ・・・と、東城・・・・くっ・・」
ビクン ビクン
綾が手淫を行うたびに、淳平は大きくのけぞっていく
その動きは淳平の快楽を表すものであり、そのことは綾の気持ちもまた高ぶらせていく
「何・・・・?真中くん・・・」
綾はわざとらしく声をかけ、淳平の顔を覗き込む
そんな綾のかわいらしい仕草に淳平は綾の頬に手を当て、そして唇を近づける
「東城・・・気持ちいいよ・・・すごく・・・」
4
激しく舌を絡ませ、お互いを求めあう
綾は淳平をもっと気持ちよくさせたいという思いで、力を増したり、握ったりを繰り返す
淳平は、綾にもっとして欲しいという欲望から、上になった綾の大きく揺れる胸を優しく揉み続ける
「あん・・・もう・・・ ダメ・・・
真中くんはじっとしてて・・・」
綾は淳平の手を取り、そっと自分の背中に回す
そして、トランクスの上から触れていた行為を、直接触れるが為に、すっと中へと滑り込ませる
「うっ!東城・・・はっ・・・・」
ひんやりとした冷たい感覚が淳平を襲う。小さく、柔らかい綾の手が、優しく淳平自身を握り締める
「キャッ!!!」
「うっ!!・・・」
ドクン ドクン
ドクン ドクン
「ま、真中くん・・・どうしよう・・・
だ、大丈夫?
ご、ごめんなさい・・・・」
綾が握り締めた瞬間、大きく脈打つと、淳平は綾の手の平の中で大きな快楽をぶちまけた。
綾は淳平が苦しそうな表情を見せたので、手を抜いて見ると、白くて熱いものが手の平に中に広がっており、不安にかられていた
「あ・・・ごめんな・・・東城・・・
その・・・」
淳平はすぐにイッてしまったことに恥ずかしさを隠せない
だが、一方の綾は淳平に何かが起こったのではないか。自分が何かしてしまったのではないかという不安でいっぱいになる
「アハハ・・・
お、俺も初めてだから・・・その・・・」
「えっ・・・!?何?
どういうこと・・・??」
「いや〜・・・その・・・」
淳平はアタマを掻きながら、バツが悪そうに答える
「と、東城の手がすごく気持ちよくってさ・・・」
「えっ?あ・・・あたしの手が・・・」
自分がしていた行為を改めて思い返し、顔を赤くする綾
と、同時に、淳平が言わんとしていることに気付き始める
「うん・・・
俺も・・・
イッちゃった!」
照れ笑いを浮かべる淳平を、安堵の表情で微笑み返す綾
(そうなんだ・・・
男の人はイクと、白いのがたくさん出るんだ・・・)
5
淳平はおもむろにティッシュを持ち出し、綾の手の平を優しく吹き上げる
「あっ、いいよ!真中くん・・・それくらい、あたし自分で・・・・ん・・・」
綾の申し出を軽いキスで遮る淳平
「・・・はぁっ・・・・もう・・・」
ちょっと拗ねたような、それでいてどこか嬉しそうな笑みを浮かべる綾
手を綺麗にしてもらうと、綾はお返しとばかりに淳平の唇に押し付ける
「んぐっ!・・・と、東城・・・・」
クチュッ クチュッ
静まり始めた感覚が、再び大きな波を作り出す
綾の身体を優しくなぞり、再び愛撫を繰り返す
綾も小さくなった淳平のものを握り締め、優しく撫でたりを繰り返す
「はぁっ・・・はぁっ・・・東城・・・」
「ん・・・あぁ・・・ ま・・・真中くん・・・んぁ・・・」
絶頂を迎えた二人は、再びあの感覚を得ようと、そしてお互いに与え合おうと懸命になる
一度絶頂を迎えた綾の身体は、すぐに快楽の底へと導かれていく
(はぁっ・・・気持ち・・・いい・・・
でも・・・ 真中くんの・・・
さっきみたく・・・
大きくない・・・)
淳平に気持ちよくなってもらいたくて、一生懸命に手を動かすものの、イッたばかりの身体は元の大きさに戻るには少しの時間が必要だった
(真中くん・・・
もっと・・・)
綾は、自分の胸に貪りつく淳平を見つめると、愛おしさが増してくる
(もっと・・・
気持ちよくなって欲しい・・・)
第三章 後編1−5・終了・第三章 後編6−10へ