2004夏・赤丸ジャンプ読みきり「しーもんきー」二次創作

S M  PRINCESS - strike blue   





ぶ ろ ろ ろ ろ ろ う う う う う う ・ ・ ・ ・ ・ ・






ハイデッカーのバスが 泉坂市の市街地に入った


専用道路から下りて 一般道を走る


渋滞 と 云うほどではないが  少しバスの往き脚のスピードが おちてきた 


バスの車内のメンツは 泉坂高校 に 通う  邦夫たち  三人  と  桜海学園 に 通う   蟹泉(かにいずみ)  の  合わせて 四人


蟹泉町 の バス停 から メンツの 人数に変化はない


もともとが 伊勢ゲノム研究所 に 勤務していた 通いの研究員たち の 為 に 開設された バス路線 である


その 伊勢ゲノム研究所 が 移設閉鎖 された 現在


利用する 固定の乗客 は  泉坂市 に 在る  高校 に 通う 邦夫たち ぐらいなものになっていた






ぶ ろ ろ ろ ろ ろ う う う う う う ・ ・ ・ ・ ・ ・






ちらり ・ ・ ・






蟹泉  が  また  邦夫  を  みた






は っ !






今度は  邦夫  と  目が合ってしまった






☆☆☆  ど っ き ん  ☆☆☆






慌てて  視線  を  そらし    前に 向き直る   蟹泉






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      






ふくよかな胸  の  なかで  鐘のように  響く     蟹泉   の   心臓






かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






顔 が 頬 が  耳 まで  真っ赤になる のが  自分でも  わかった







どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき






(「 ・・・・・・ 鎮まれ ・・・・ 鎮まれ ・・・・ あたし の 心臓 ・・・・・・ 」)






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき






(「 ・・・・・・ なんで ・・・・ アイツ と ・・・・ 目 が 合うたび ・・・・・・ 」)






かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






(「 ・・・・・・ なんで ・・・・ こんなふうに ・・・・ なっちゃう ・・・・ の ・・・・ だよう ・・・・・・ 」)






かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






(「 ・・・・・・ アイツ は ・・・・ “我等” が ・・・・ 仇敵 ・・・・ サルタヒコ の ・・・・ “勇者” ・・・・ “千年皇子” ・・・・・・ 」)







かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






(「 ・・・・・・ サルタヒコ の “血” を 受け継ぐ ・・・・ 千年に一度 “誕生(うま)れる” ・・・・ “電鋼(ひかり) の 皇子” ・・・・・・」)






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき






(「 ・・・・・・ アイツ が “電鋼(ちから)” に 目覚めた 瞬間(とき) ・・・・ サルタヒコ に “熔身(とけ)あった” 瞬間(とき) ・・・・・・ 」)






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき







(「 ・・・・・・ “我等” の ・・・・ “一万二千年の悲願” は ・・・・ この『プロジェクト』 は ・・・・ 水泡 に 帰す ・・・・・・ 」)






かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






(「 ・・・・・・ 『アレ』 は 起動(うご)かず ・・・・ “お母様” が 再生(よみが)える コト も ・・・・ 出来ない ・・・・・・ 」)






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき






(「 ・・・・・・ ただでさえ “我等” に とって 危険極まりない “存在” なのに ・・・・ そのうえ 『核猿(マザーモンキー)』 までも ・・・・・・ 」)







ちらり ・ ・ ・






蟹泉  が  ふたたび  邦夫  を  みた






は っ !






またしても  邦夫  と  目が合ってしまった






☆☆☆★☆☆☆   ど ぉ っ き ぃ ぃ ぃん   ☆☆☆★☆☆☆






大慌てで   視線   を  そらし     前に 向き直る    蟹泉











どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき

かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ



どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき

かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ
















(「 なんで ・・・・ なんで あんな “奴” を ・・・・ あたし は ・・・・ あたし は ・・・・・・・・ “プリンセス” ・・・・・・・・ なのにっ! 」)








































S  M   PRINCESS







































『 ぴんぽーん  ・・・ 次は  桜海本町 ・・・ 桜海本町 です 』






ワンマン の アナウンス が 静かな車内を 響かせている


すっ


リクライニング の シート から   蟹泉   が  立ち上がる
 

たたたたたた


うつむいたまま  早足  で   蟹泉    が  乗降口 の 折戸 へ 急ぐ






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき

かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






彼女  の  心臓  が     彼女  の  頬  が    彼女  に  恋のアラーム  を  響かせている  






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき

かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ






(「 ・・・・・・ 気付かないで ・・・・・・ こんな あたしに ・・・・・・ 誰も ・・・・・・ お願い ・・・・・・ 気付かないで ・・・・・・ 」)






ぎ  ゅ  う






彼女  は  右手で握り締めている   スタンディングポール    を    さらに   固く  握り締める






き  ゅ  う






彼女  は  右手 の 掌  の  なか  が   熱く  濡れてゆく  のを  感じている







(「・・・・・・ お願い  ・・・・・・  はやく  ・・・・・・  はやく  ・・・・・・  着いて  ・・・・・・  お願い ・・・・・・」)






どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき      どきどきどきどき   どきどきどきどき   どきどきどきどき

かああああああ   ああああああ    ああああああ       かかああああああ   ああああああ   ああああああ












ぶろろろろろろろろ・・・・   きぃぃぃ・・・・   ぷしゅううう・・・・




バスは ようやく 桜海本町のバス停 に 到着 した




ぷぅー  ぷしゅう  ばたん      たたたたたた




バスの折戸が 折りたたまれ 乗降口 が 開いた    駆け出した   蟹泉




たん たん たん      たっ  たっ  たっ  たっ   たっ  たっ  たっ  たっ   たっ  たっ  たっ  たっ  




バスのステップを 大急ぎに 駆け下りる  長い緑の黒髪を なびかる      駆けて行く   蟹泉




ふわさあああ      たっ  たっ  たっ  たっ   たっ  たっ  たっ  たっ   たっ  たっ  たっ  たっ




歩道を 駆けてゆく   彼女の 後を 夏の風が 追いかけて行く      駆けて行く   蟹泉




たっ  たっ  たっ  たっ   たっ  たっ  たっ  たっ   たっ  たっ  たっ  たっ  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・




次 の 角 を  右  に  曲がる    邦夫たち の 視界から 消える       駆けて行った   蟹泉









ぷぅー  ぷしゅう  ばたん


ぱ あ ん !


ぶ ろ ろ ろ ろ ろ う う う う  ・ ・ ・




バス は 桜海本町 の バス停 を 出た


この次が 『泉坂高校前』 である




ぶ ろ ろ ろ ろ ろ う う う う  ・ ・ ・




柿:「なあ ・・・ 蟹泉さん ・・・ いつも 急いで 走って行くけど ・・・ なにか 朝の係 か なんか してんのかなぁ ??? 」


種:「さあ ??? 」


御:「バッカねえ・・・ アンタたちみたいな “へんな生き物” と 一秒たりとも同じ空間 に 居たくないからでしょう・・・ わかんないのぉー?」


柿&種:「 「 あのねぇー!  アンタ  そこまで  言 う の お お お ぉ ぉ ぉ お お お ぉ ぉ ぉ ー ー ー !!! 」 」


邦:「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (汗&頭痛) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」



ぶ ろ ろ ろ ろ ろ う う う う  ・ ・ ・







































「はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ」  






蟹泉  は  角  を  曲がった  ところで  立ち止まり   大きく 息 を   ついていた






「はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ」






蟹泉  は   角  を  曲がった ところの 電柱  に  寄りかかり  大きく 息 を  ついていた






「はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ  はあ」






蟹泉 は  ほかの人より  やや  広めの  額に  玉の 汗を 浮かべながら 大きく 息 を  ついていた








ぶ  ぅ  お  ぉ  お  ぉ  ぅ  ぅ  ぅ  う  う  う  う  う  う  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  う  う  う  ん  ん  ん






と ・ ・ ・


彼女 の 背後 に 一匹 の 蜂 が ・・・






えっ ? ? ?


“ 蜂 ”  ? ? ?


“  コ レ  ”  が  ・ ・ ・  “ 蜂 ” ? ? ?






ぶ  ぅ  お  ぉ  お  ぉ  ぅ  ぅ  ぅ  う  う  う  う  う  う  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  う  う  う  ん  ん  ん






羽幅 120センチ は あろうかという



太古 の 地球 には 居たかもしれない



巨大な ほんとうに 巨大な  



真っ赤な飴色 を した



まさに  “ 化け蜂 ” !!!






ぶ  ぅ  お  ぉ  お  ぉ  ぅ  ぅ  ぅ  う  う  う  う  う  う  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  ぅ  う  う  う  ん  ん  ん






クリアレッド に 透ける 羽 を レシプロ エンジン の ように 唸らせて



彼女 の 背後 に 迫る  巨大な 紅い “ 化け蜂 ”




と ・・・




紅い “ 化け蜂 ”  が  ・・・






『 大丈夫ですか? ・・・ “ 姫様 ” ・・・ 』






紅い “ 化け蜂 ”  が  ・・・






喋った ! ! !






ほんとうに  “ バケモノ ”  ! ! !






「 “蜂矢” か ・・・ 気をつかうな ・・・ 急に 走った もんだから ・・・ ちょっと 息 が あがった だけだ ・・・・・・ 」









び ょ お お お お ぉ ぉ ぉ ぉ お お お お ぅ ぅ ぅ ぅ う う う う 









“ 化け蜂 ” の 身体 に 垂直 に クリアレッド の 閃光(スパーク) が 貫く




縦中央から 左右 に 垂直の閃光 が 分かれ 拡がってゆく









り ゅ う う う う う ぅ ぅ ぅ ぅ う う う う ぅ ぅ ぅ ぅ ・ ・ ・ ・ ・ ・









消えてゆく 残響 と 残光 の 狭間 ・ ・ ・ 拡がり 消えた 輝き の 中心 から






「 “ 姫様 ” 」






紅い ビジネススーツ に 身を固めた 30代前半(?)ほどの “女性” が 現れた









「 “蜂矢” ・・・ “臼田将軍” が しくじった ようだな ・・・ 」




呼吸を整え  キッと  した  厳しい視線  を   “ 摂政  蜂矢 炎音(かのん) ”   に 向ける   蟹泉




「 申し訳ありません ・・・ 予想外の事態が ・・・ 発生 いたしまして ・・・ 」




ふかぶかと あたま を 下げて 詫びる  “ 摂政  蜂矢 炎音 ”




「 予想外 の 事態 ? なんだ それは ? 」




“蜂矢” を 問い詰める  蟹泉




「 はいっ ・・・ 影風 が ・・・ 裏切りまして ・・・ “紋樹さま奪還部隊” に 攻撃 を 仕掛けて来ました 」




「 馬鹿な! アレ は 伊勢博士 の 命令 が 出ない限り けっして そんな事を ・・・・・・ まさか ・・・・・・ 」




「 そうです ! ・・・ ただいま確認の為 猿隠島 に “栗野元帥” を 急行 させております ・・・ わたくし も このあと ・・・・・・ 」










“摂政 蜂矢” が さらなる 状況説明 を   “ キャンサー プリンセス  蟹泉 ”  に 続けようとした ときだ


















































「  お お ー ー い !    お っ は よ ぉ ー ー う ぅ !     ト  モ  コ  ォ  ォ  ー ー ー ! ! ! 」 






ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  









朝日 に 照り  光る   金髪   を  躍らせて




緑の瞳  の  超絶美少女  が




“ キャンサー プリンセス  蟹泉 ”    の    “ 下 の 名前 ”   を    呼びながら  




踊るように   駆けて来た









ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた  ぱたぱたぱたぱたぱた
















She  Monkey    PRINCESS                    some time ...   some day ...


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