2004夏・赤丸ジャンプ読みきり「しーもんきー」二次創作
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邦夫の家は 泉坂市中心部 (具体的には 泉坂市バスセンター ・・・ 泉坂駅の東隣に在る) からは 二時間弱
邦夫の通う高校 (なんと アノ 泉坂高校! 邦夫は ソコの 一年生 ・・・ アノ 真中淳平 の 映像研究部 の 新入部員 である) からは 一時間ほど の 北関東の とある町の はずれに 在る。
もう おわかりと 思うが ・・・ この 物語 の 舞台 は ・・・ 『 いちご100% 』 と おなじ 世界 である ・・・
とうぜん このあと 泉坂高校 や ・・・ 「邦夫たち」 の 先輩 として ・・・ 「真中たち」 も この 物語 に 登場 する ・・・ ・・・
家の南側に あの門 が ある
その前は 比較的広い広場 ・・・ そこは 専用高速バス の 転回場 である
そして その先は 一直線に つづく あの 専用道路 (それも 幹線高速道なみの 高規格道路) が 取り付いている
門の 左右にそれぞれ 20メートル ほど 高い塀 が つづく
高い塀 は その先で 90度 直角に曲がって 東西の側 にも そのままつづく
東西の 塀の 外は ・・・ はるかに 田んぼ 田んぼ 田んぼ ・・・ とにかく 田んぼ
そう 邦夫 の 家 は まさに 田んぼの中の 一軒家 なのだ
その 東西の塀 は 田んぼの 中を 80メートル ほど つづく (南北より長い ・・・ 長方形の敷地である)
そして その先で 同じく 90度 直角に曲がり 北側 の 塀 と なる
北側の塀の外は ・・・
こんもりとした 小山 で ある ・・・ 森 と いうほどではないが ・・・
小山 (高さ 60メートル程か) から つづく
広葉樹 の 林 が 塀 の すぐ そば まで 迫って 来ている ・・・ ・・・ ・・・
邦夫の家は もともと 神社 であった。
“猿田彦” を 祭神 とした 神社 と されているが ・・・ じつは いろいろと ワケあり な 社 なのだが ・・・
それは おいおい 物語 が 進む うちに あきらかに なるだろう ・・・
邦夫の家の その神社 (伊勢猿田彦神社) の境内に 伊勢堅太郎ゲノム研究所 が設立されたは
堅太郎が 伊勢家の婿養子 と なってからであった。
邦夫の家の 周りを ぐるりと囲う 高さ5メートルはある 高い 四重の塀 は
その時から ・・・ と ・・・ 思いきや ・・・
なんと! ・・・ もっと それ以前から ・・・
そう ・・・ 伊勢猿田彦神社 が ココに 創建された 当時には もう 既に あったモノ だと 云うのだ ・・・
その頃には ・・・ 今は 埋められているが ・・・ なんと 塀 の 外 や 内 に 深い 堀 まで あったらしい ・・・
そう ・・・ まるで 伊勢猿田彦神社 の 中 に ある 大切な ナニカ を ・・・ ナニモノ から 守るかの ように ・・・ ・・・ ・・・
堅太郎 は 研究所設立の際に
この 四重の塀 を 補強 し ・・・ さらには 警備 を 機械化 した
それまでは 四十数人 もの 屈強な見廻り衆 が 何がしかの 武器を持ち
朝夕交代 で 年がら年中 ・・・ 正月も盆も無く ・・・ 毎日二十四時間 ・・・ 雨の日も 風の日も ・・・
この塀 の ・・・ あるいは あの門 の ・・・ 内に 外に 立ち ・・・
監視の眼を 光らせていた と 云う ・・・ ・・・ ・・・
いったい それほどまでして 守らねばならなかった モノ とは ???
この 片田舎 に 忘れ去られたように ある この 小さな社 に
いったい どんな 秘密が在ると 云うのだろうか ???
その 邦夫と紋樹 の 居る家 に
その 忘れ去られていたはず の この 小さな社 に
今まさに 異形 の 恐怖 が 襲いかかろう と していた !!!
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
「げの ・・・ がばば ・・・ ぐ ・・・ ねこるば ・・・ だだむ ・・・ べ ・・・ でま ・・・ “核猿” ・・・ “きゃんさあ ━ はい ━ ろう”」
「ゲノム ・・・ 堅太郎 ・・・ ぐ ・・・ だべるか ・・・ ぎやがすの ・・・ ぐも ・・・ べ ・・・ だだむ ・・・ ん ・・・ ぞぐば!」
「べす ・・・ ががむ ・・・ “サルタヒコ” ・・・ ばすも ・・・ “勇者” ・・・ ぐ ・・・ 邦夫 ・・・ だずも ・・・ “御神鳥変化” ・・・ げま!」
「さあさ ・・・ “きゃんさあ くいーん” ・・・ べ ・・・ ぶるがすが ・・・ ぐ ・・・ 邦夫 ・・・ だだむ ・・・ ん ・・・ ぞぐば!」
「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
ひとつ・・・
ふたつ・・・
みっつ・・・
よっつ・・・
・・・ ・・・ ・・・
いや・・・
そんな 生半可な 数ではなかった・・・
10 ・・・ 20 ・・・
いや・・・
もっと いるっ!
その数
ざっと 見ただけでも 50以上!
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
「さあさ ・・・ “きゃんさあ くいーん” ・・・ べ ・・・ ぶるがすが ・・・ ぐ ・・・ 邦夫 ・・・ だだむ ・・・ ん ・・・ ぞぐば!」
「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」
妖しの 異形の 影たちが ・・・ 怪しい言葉を語る ・・・
「べす ・・・ ががむ ・・・ “サルタヒコ” ・・・ ばすも ・・・ “勇者” ・・・ ぐ ・・・ 邦夫 ・・・ だずも ・・・ “御神鳥変化” ・・・ げま!」
「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」
妖しの 異形の 影たちが ・・・ 怪しい呪文のような言葉を ・・・ 叫ぶ! 叫ぶ! 叫ぶ! 叫ぶ! 叫ぶ! 叫ぶ!
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
邦夫たちの居る 元研究所の 一番外の壁に 異形の影の集団の先頭が辿り着く
つづく 影たち は 壁沿い に 大きく左右 二手に 分かれようとしている
邦夫たちの居る 元研究所の 正面 南側から 進行して来た 影たちは
辿り着いた南壁の処で それまで 巨大な一群だったものを 5〜6杯 の小隊に分かれ
壁沿いに 左右に 散らばろうと していた
5〜6 『 杯 』 の 小隊 ???
そう
それは
『 杯 』 と 数えるのが もっとも 適切な 数え方の モノたち であった
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
分厚い 硬い甲羅 に 包まれた 身体
甲羅には 鋭いトゲが いくつも いくつも 飛び出している
甲羅から 飛び出しているのは いくつもの 鋭いトゲ だけでは ない
甲羅の頂上 ・・・ そこには 飛び出した 一対の 眼 が あった
甲羅の側面 ・・・ 左右のそこからは 四対の歩脚 ・・・
そして 何よりも そのモノたち の 特徴は ・・・
甲羅 の 上 で 大きく 振りかざす 大きな 一対 の ハサミ!
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
真っ赤な 甲羅 の その 前面
しゅわしゅわ と 縦に割れる 口 から 泡 を 吐き
そして 彼らは 横に はって 進んでいる!
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
蟹 だ!
まぎれもなく 蟹 である!
だが ・・・
なんなんだ ・・・ ?
この 蟹 の 大きさ は ???
甲羅 の 幅 は
どんなに 少な目にみても 2メートル は あるだろうか?
身長というか ・・・ 甲羅の丈は ・・・ 1メートル50センチぐらいだろうか?
ハサミの長さは やはり 1メートル50センチほどはある!
四対の歩脚を広げた その幅は ・・・ 8メートル は ゆうに あるはずだ!
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
真っ赤な 巨大な 甲羅
飛び出す いくつもの トゲ
トゲ の大きさは
大きいモノは 30センチほども あろう
その フォルムは
タラバガニ にも 似ている ・・・
タラバガニ と 異なるのは
歩脚が ちゃんと 四対 有る ところか ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
四対 の 歩脚 の 関節 が 曲がるたび
分厚い 外骨格 の 頑丈 な 脚 が 互いに 擦れ合い
かさかさ と 乾いた音 が あたり一面に 響く
頑丈 な 歩脚 を ゆっくりと 歩ませ ・・・
しかし 確実に 邦夫たち が 居る 伊勢猿田彦神社 に 迫って行く!
こんな バケモノ蟹 が 50杯以上 も
邦夫と紋樹 の 居る 元研究所 を 急襲 しようとしている!
「げの ・・・ がばば ・・・ ぐ ・・・ ねこるば ・・・ だだむ ・・・ べ ・・・ さあさ 紋樹 ・・・ “きゃんさあ ━ はい ━ ろう”」
「ゲノム ・・・ 堅太郎 ・・・ ぐ ・・・ だべるか ・・・ ぎやがすの ・・・ ぐも ・・・ ぐ 邦夫 ・・・ だだむ ・・・ ん ・・・ ぞぐば!」
「さあさ “きゃんさあ くいーん” ・・・ べ ・・・ ぶるがすが ・・・ でま ・・・ ぐ 邦夫 ・・・ だだむ ・・・ ん ・・・ ぞぐば!」
「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」
「べす ・・ ががむ ・・ ぐ “サルタヒコ” ・・ ばすも ・・・ ぐ “勇者” ・・・ ぐ 邦夫 ・・・ だずも ・・・ ぐぐ “御神鳥変化” ・・・ げま!」
「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」
蟹 が ・・・
喋っている !!!
蟹 が ・・・
たしかに お互い に 会話 を 交わしている !!!
「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」
「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」
バケモノ蟹どもが 気勢 を 上げている!
合戦前の 武士(もののふ)の群れのように
声 を 揃えて 叫んでいる!
青い 夜空に 昇り始めた 月に 各々のハサミを 突き刺して
雄たけび を 上げている!
「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」
「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」
彼らの言葉の意味など わからない
わからないが ・・・ 気のせいか ・・・
彼ら は こう 言っているように 聞こえる ・・・
「ころせっ!」 「殺せっ!」 「ころせっ!」 「殺せっ!」 「ころせっ!」 「殺せっ!」 「ころせっ!」 「殺せっ!」
「しねっ!」 「死ねっ!」 「しねっ!」 「死ねっ!」 「しねっ!」 「死ねっ!」 「しねっ!」 「死ねっ!」 「しねっ!」 「死ねっ!」
「 邦夫 を 殺せ 」 ・・・
「 邦夫 よ 死ね 」 ・・・
バケモノ蟹ども は たしかに ・・・
そう 叫んでいるように ・・・
聞こえる ・・・ ・・・ ・・・
「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」 「ぞぐばっ!」
「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」 「げまっ!」
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
南壁に辿り着いたモノから順に それぞれ5〜6杯ほどの 小隊に 分かれる
小隊の 数は 全部で 10個ほどに なるだろうか
小隊の 編成が 済んだところで それぞれの小隊は 壁沿いに 左右に 展開して
おそらくは 東西南北 すべての 壁 から
同時に 一気に 中へと なだれ込もう と しているのだろう
後続 の 仲間 の 到着 を 先頭集団の 蟹たち は 待っているようだ
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・
がりっ ・・・ がりっ ・・・ ががががっ ・・・ ががりっ ・・・ がががりりっ ・・・ がががががががが ・・・ がりりりりっ ・・・
遂に いちばん最初に 塀に辿り着いていた 一杯 の ・・・
いや ・・・ もう この 大きさのシロモノを 『 杯 』 と 数えるのは やっぱり 止めよう!
この怪物には やっぱり 『 匹 』 と 数える のが 妥当 だ!
遂に いちばん最初に 塀に辿り着いていた 一匹 の バケモノ蟹 が 南の塀に 脚をかけ 登り始めた!
がりっ ・・・ がりっ ・・・ ががががっ ・・・ ががりっ ・・・ がががりりっ ・・・ がががががががが ・・・ がりりりりっ ・・・
塀 に 脚をかけ 縦に なった バケモノ蟹 が その巨大な 甲羅 で 塀 を 押し倒そうとした その時 だ!
「 脳髄(カニミソ)を ・・・ ぶちまけろっ!!! 」
き ゃ う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う !!!
じ ゃ う ん !!!
はるか天空から 戦淑女(いくさしゅくじょ) の 猛々しく 雄雄しい 絶叫!!!
はるか天空から 大気を切り裂き 舞い来る 一条の 鮮やかな 青い閃光!!!
はるか天空から の 切り裂く 青いレーザービーム に 袈裟懸け に 甲羅 を 切り裂かれる バケモノ蟹!!!
「 で ・・・ が ・・・ ぎ ゃ う う う う う う う う !!! 」
ぶ し ゅ わ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ !!!
甲羅の中の 緑色の脳髄(カニミソ)を ぶちまけながら 断末魔 の 声 を 上げ 真っ二つに すれ違って 崩れてゆく !!!
ど ど お う う っ !!!
塀から ずり落ち 大地に 屍(しかばね)と化した歩脚を 仰向けに すべてひろげて バケモノ蟹 が 倒れた !!!
「ばばまっ???」 「でまっ!!でまっ!!」 「でま? ・・・ ぐぐ でまっ?!」 「 ・・・ ぐぐ ・・・ はぶらばっ!!!」
バケモノ蟹ども の 群れ が 騒然 と なった!
一匹の バケモノ蟹 が 右のハサミを 天空たかく 指し示し 叫ぶ!
「でまっ! ぐぐ でまっ! はぶら べ げげのっ!!!」
き ゃ う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う !!!
じゅわああんっ!!!
「で ぇ ま あ あ あ あ あ あ あ あ あ !!!」
ぶ し ゅ わ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ !!!
二匹目の 断末魔っ!!! 天空たかく 指し示していた ハサミ は 砕かれ ・・・ 甲羅は 縦に 真っ二つ に 切り裂かれる!!!
ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん
はるか 彼方 の 天空 から 大気 を 切り裂き 舞い降りて来る !
青き翼を ひろげ ・・・ 青き長き尾 を サソリの尾 の ように 振り上げて !
振り上げた 尾の先に 第三射目 の プラズマ・エネルギー の スパーク が 集まりだす !!!
戦淑女 ・・・ 影風 の すがた が そこに あった!!!
「げのっ?? ・・・ さあさ “影風”??? ・・・ げげの さあさ “影風” ・・・ べ ・・・ “クラブナー ラ ムー” ??? ・・・ 」
(訳 「ナゼだっ?? ・・・ “影風さま” が ??? ・・・ ナゼ “影風さま” が ・・・ 我々 ・・・ “ムー の 一族” を ??? ・・・」)
ひときわ 甲羅 の 大きな (おそらくは 戦隊長 で あろう) バケモノ蟹 が コノ状況 が 理解出来ない で いる ・・・
「さあさ “影風”!!! ベずもっ!!! “クラブナー ラ ムー” っ!!! げ べぜる ・・・・・・ 」
(訳 「“影風”さま !!! 味方ですっ!!! “ムー の 一族”ですっ!!! 何ゆえ 味方を ・・・・・・ 」 )
ひときわ 甲羅 の 大きな バケモノ蟹 が
ひときわ 大きい 目玉 を 振り立て
ひときわ 大きな 両のハサミを 振り上げて 呼びかけるが ・・・・・・
き ゃ う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う !!!
ずばああああああああっっっ !!!
「 げ の お ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ お お お !!! 」
両のハサミ の 間 を 抜ける 一条の 青き レーザービーム !!!
両の目玉 の 間 ・・・ 眉間 を 貫き ・・・ そのまま 甲羅 を 断ち割りに 切り裂いてゆく !!!
「 ・・・・・・ わたし は “任務” を 遂行している だけだ ・・・・・・ 」
き ゃ う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う う !!!
戦淑女 が 冷たく 微笑んだ ・・・ ・・・ ・・・
こうして
邦夫たち の
預かり知らぬ ところで ・・・
邦夫たち と
謎の秘密結社 ・・・ “クラブナー ラ ムー” との
戦い の 幕 が
切って落とされた!
She Monkey CONTACT some time ... some day ...
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