2004夏・赤丸ジャンプ読みきり「しーもんきー」二次創作

Ｓ　Ｍ　　ＡＲＭＳ - ｓｔｒｉｋｅ　ｂｌｕｅ   様




「邦夫さん　・・・　しっかりしてください　・・・　よいしょ　・・・　う〜ん、おもーい！」



ずるずるずるずるずる・・・



「・・・・・・・・（邦夫、ただいま気絶中…）・・・・・・・・」



紋樹は　バスルームから　スッポンポンのままの　邦夫を引っ張り出していた。



ずるずるずるずるずる・・・



「邦夫さぁーん　・・・　あ〜ん、どうしよう　・・・　とにかく　何か着せないと　・・・」



「・・・・・・・・（邦夫、白目をむいて　とにかく気絶中…）・・・・・・・・」



紋樹は　バスルームから引っ張り出した　邦夫をとりあえず隣のサニタリールームの床に寝かせた。



「えっとぉ・・・邦夫さんの着替えの服・・・ここかな・・・」



「・・・・・・・・（邦夫‥‥当分、気絶したままだな‥‥だめだコリャ‥‥）・・・・・・・・」



紋樹は　サニタリールームの洋タンスの引出しを引き　邦夫の下着を探していた。



そのときだ






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！






独特の


何か


悲しい


けもの　の　叫び声　ような


音






「　えっ？　」


邦夫の下着を探す　紋樹の手が止まった


「　いまの　・・・　おと　・・・　」






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！







紋樹にとって


聞き覚えのある


そして


紋樹にとって


懐かしい響きの


音






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！






「　この音・・・　この“発射音”・・・　まさか？・・・　まさか　“円（まどか）”　さん？？？　」






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！






“ま　ど　か”　・　・　・


紋樹は　たしかにそう言った



“影風”　の　「テールプラズマレーザー」　の　発射音　を　聞き


紋樹は　たしかにそう言った





「　“まどか”さん　が　・・・　“尾長サル　の　ちから”　を　使っている　・・・　」





き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！






「　“まどか”さん　・・・　博士のために　・・・　“人間　を　やめた”　・・・　女性（ひと）　・・・　・・・　・・・」






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！







悲しい　おんな　の　泣き声　の　ような　その発射音を聞きながら



紋樹は



あの　猿隠島　を



紋樹に　優しかった



ある　ひとりの女性研究員　を　



思い出していた　・・・　・・・　・・・



































Ｓ　　Ｍ　　　　ＡＲＭＳ




































き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！



じ　ゃ　う　ん　っ　！！！



「　ば　ず　も　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　！！！　」



ど　ぶ　し　ゅ　わ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　！！！






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！



じ　ゅ　わ　あ　あ　ん　っ　！！！



「　げ　げ　ま　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　！！！　」



ど　ど　ば　し　ゃ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　！！！






どんな時代でも


どんな戦場でも


どんな兵器でも




陸上の「軍団」にとって


もっとも　脅威　と　なる　存在（もの）


それは　空からの攻撃　で　ある






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！




ぶ　わ　わ　あ　あ　ん　っ　！！！



「　は　が　ま　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　！！！　」



ぶ　し　ゃ　し　ゃ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　！！！






六匹目　・・・　　七匹目　・・・



そして　八匹目。



次から　次へと



倒されてゆく



バケモノ蟹　・・・






影風の　正確無比で　情け容赦の無い　『 尾長サル　の　ちから　　モードA　　“テールプラズマレーザー” 』　による　攻撃がつづく。







き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！




ば　ば　あ　あ　ん　っ　！！！



「　で　ま　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　！！！　」



び　し　ゃ　し　ゃ　ば　し　ゃ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　！！！






真っ赤な　甲羅　から


ぶちまけられた


緑色の　脳髄（カニミソ）　が


あたり　一面　に　飛び散っている





飛び散った


緑色の脳髄（カニミソ）の


生臭い　臭い　が


あたり　一面　に　漂う






邦夫の家　の　南側　に　広がる


「専用高速バス」　の　転回場　は


いまや


バケモノ蟹　ども　の


緑色の墓場　と　化しつつ　あった






き　ゃ　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　！！！




ぴ　っ　し　ゃ　あ　あ　ん　っ　！！！



「　ぐ　ぐ　ま　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　！！！　」



し　ゃ　し　ゃ　ば　し　ゃ　し　ゃ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　！！！








だが


そう　いつまでも


やられっ放しの


バケモノ蟹ども　では　なかった




「げずも　“影風”！　・・・　せざる　ががむ！　ががむ！　・・・　べ　はぶらば！」




真っ赤な甲羅の中央に　大きく緑の色で　『 二 』　の模様（？）が　描かれた


ひとまわり大きな体躯の　バケモノ蟹　が号令を出した




ず　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　あ　あ　！




と　それまで


ただ　ばらばらに


ただ　逃げ回っていただけの　バケモノ蟹の群れ　が


その　号令の元　いっせいに　整列　した！


そして　楕円型　の　密集隊形　を　とった！




「ぐぐ“影風”！　ぐぐ　でまっ！　・・・　はぶら　べ　げげのっ！」


ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　ざ　！




バケモノ蟹たち　が　すべて　いっせいに


上空を急旋回する　影風　に向け　ハサミ　を　かまえる




じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　・　・　・




戦場の生臭い大気を　震わす


不気味な音




半開き　に　開いた


バケモノ蟹　の　ハサミ　の　あいだ　に


細かい　　無数の　　『 赤い雷 』　　が　　はしる




と　次の瞬間！




「べべ　ががむっ！　・・・　げまっ！！！」


し　ゃ　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　っ　！！！




『 二 』の模様の　大きな体躯の　バケモノ蟹　の　号令　と　ともに


バケモノ蟹　の　ハサミ　の　あいだ　から


赤い　エネルギービーム　が　一斉に　放たれたっ！！！　




「げまっ！　げまっ！　げまぁぁぁ！！！」


し　ゃ　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　ば　っ　！！！
　

し　　ゅ　　し　　ゅ　　し　　ゅ　　し　　ゅ　　し　　ゅ　　う　　う　　う　　ぅ　　ぅ　　ぅ　　ん　　ん　　ん　・　・　・




『 二 』の模様の　大きな体躯の　バケモノ蟹　が　叫ぶ！


密集隊形　の　四十数匹　の　バケモノ蟹ども　の　『 対空砲火 』　が　打ち上がる！


青い夜空に　真っ赤な　火線　が　拡がりながら　何十　何百　と　伸びてゆく！




ひゅん　　　ひゅん　　　ひゅん　　　ひゅん


ひらり　　　ひらり　　　　ひらり　　　ひらり


しゅう　　　　しゅう　　　　しゅう　　　しゅう


ひらり　　　ひらり　　　　ひらり　　　ひらり






打ち上がる　真っ赤な　エネルギービーム　の　対空砲火　の　火線　を



なんなく　かわす　影風



だが



彼女　の　表情　　は　　冴えなかった






「まずいな　・・・　これだけ派手に打ち上げてくれては　・・・　ヤツラのビームが　あの町から　丸見えだ　・・・」





影風は　無数に　上がる　真っ赤なビーム　を　かわしながら



数キロ先に見える　小さな町の灯り　を　気にしていた




し　　ゅ　　う　　う　　う　　ぅ　　ぅ　　ぅ　　う　　う　　う　　ぅ　　ぅ　　ぅ　　う　　う　　う　　ぅ　　ぅ　　ぅ




青いビームウィング　の　後退角　を　増しながら



影風が　バケモノ蟹　の　群れ　の　背後　に　回り込む



蟹の死角



背中側から　攻撃をかけようとする






「ここからなら・・・　なにっ！」




き　ゅ　う　　　　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　う






真っ赤な甲羅　から　飛び出した　ヤツラ　の　青黒い　大きな　目玉


その　ヤツラの青黒い目玉　が　突然　赤黒く　照るように　光る　






き　ゅ　っ　き　ゅ　う　　　　　き　ゅ　っ　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　っ　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　っ　き　ゅ　う　　　　き　ゅ　っ　き　ゅ　う　






一瞬のあいだ　を　おいて　いっせいに


ヤツラの目玉　から　甲羅の後方上空へ　連射される


赤い　レーザー！






しゃしゃあああ　　しゃしゃあああ　　しゃしゃあああ　　しゃしゃあああ　　しゃしゃあああ　　しゃしゃあああ　　しゃしゃあああ






拡散する　ハサミからの　赤いビームとは　あきらかに　異なる


指向性の強い　赤いレーザーの群れ　が　迫る！




「　　ち　っ　！　　」


ひ　ゅ　ひ　ゅ　ひ　ゅ　ん　っ　！




しなやかな　身体　を　弓　に　曲げ


しなやかに　赤いレーザーの群れ　を　かわす


そして　一気に　上昇する　影風！






「いかんな・・・　このままでは　あの町の住人に・・・　ん？　・・・　まだ　なにか　あるのか？」






し　ゃ　き　ー　ん　　し　ゃ　き　ー　ん　　し　ゃ　き　ー　ん　　し　ゃ　き　ー　ん　　し　ゃ　き　ー　ん　　し　ゃ　き　ー　ん　　し　ゃ　き　ー　ん　　






とくに大きな　体躯の　数匹の　バケモノ蟹の


とくに大きな　背中の　甲羅の　トゲの　何本か　が


突如　大きく　長く　太く　伸びた！




すると





しゅばあああ　　　しゅばあああ　　　しゅばあああ　　　しゅばあああ　　　しゅばあああ　　　しゅばあああ　　　しゅばあああ　　





なんと


直径２０センチ　　長さ１メートル　ほど　に


大きく　　長く　　太く　　伸びた　　


背中　の　甲羅　の　トゲ　の　何本か　が


赤い炎を噴き出し


対空ミサイル　の　ように


発射された！





ご　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　む　む　む　・　・　・





赤いロケットファイアを噴き出し


影風に迫る


十数発の　ミサイル！







し　ゅ　う　う　う　ぅ　ぅ　ぅ　う　う　う　ぅ　ぅ　ぅ　う　う　う　ぅ　ぅ　ぅ　う　う　う　ぅ　ぅ　ぅ　・　・　・







青いビームウィング　の　青い光跡　を　きらめかせながら


影風は　回避飛行　に　移るが　・　・　・






し　ゃ　し　ゃ　し　ゃ　し　ゃ　し　ゃ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　ぁ　ぁ　ぁ　あ　あ　あ　・　・　・





トゲのミサイルの群れは


バナナ　の　ような　カーブ　で


その　軌道を　変え


赤いロケットファイアの後に


白い火煙の尾を引きながら


逃げる影風　の　後　を　追いかけ始めた





「　コイツら　・・・　ホーミングミサイル　・・・　自動追尾機能　まであるのか　・・・　意外と　高性能だな　・・・」




ひゅんっ！




青いビームウィング　を　しなやかに　ひるがえし


急ブレーキ　を　かける　影風！






すくっ





ミサイル　の　群れ　の　方　に　身体　の　向き　を　変えて


青い虚空　に　しなやか　に　立つ　影風！






ご　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　む　む　む　・　・　・






青い虚空　に　立つ　影風　に　迫る　ミサイル群！






すすっ






しかし　彼女　は　少しも　慌てず



その　両の腕　を　迫る　ミサイルの群れ　に　向ける



そして　両のてのひら　を　ゆっくり　ひろげながら　静かに　つぶやく






「発動　・・・　“『 クモ猿 』　の　ちから”　・・・　レベル�T　・・・　モードＢ　・・・」



ちゅいん　ちゅいん　ちゅいん　　ちゅいん　ちゅいん　ちゅいん　　ちゅいん　ちゅいん　ちゅいん　　ちゅいん　ちゅいん　ちゅいん　





ひろげた　影風　の　てのひら　の　なか　に


まわり　の　虚空　から


ビー玉ほどの　小さな青い粒子の玉が　いくつも　いくつも　いくつも　集まる


集まった　粒子の玉が　テニスボール　ほど　の　大きさに　なる





そして





ぱ　し　っ　し　っ　し　い　い　い　ん　ん　ん　！





弾ける　ような



そんな　音　と　ともに



両の　てのひら　から　その　青い光のボール　は　飛び出した！








し　ゅ　し　ゅ　う　う　ぅ　ぅ　・　・　・　　ぱぱああぁぁんん！！








飛び出した　ふたつ　の　青い光のボール　が



ミサイル　の　群れ　の　目前　で　はぜる！





しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　・　・　・






はぜた　青いボール　から　なにかが　無数に飛び出した



これは　・・・　『 糸 』　だ！



無数の青い糸 　が　虚空　を　縦横無尽　に　駆け回っている！





しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃあ　　・　・　・




無数の青い糸　が　なにか　を　つくりだした



これは　・・・　『 巣 』　だ！



青いボール　が　それぞれ　はぜた　その　虚空　に




巨大な　青い　『 蜘蛛の巣 』　が　ふたつ　あらわれた！






し　ゅ　ご　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　お　お　お　ぉ　ぉ　ぉ　む　む　む　　　・　・　・　　　ばばばばばばあああぁぁぁあああぁぁぁんんん！！！






トゲのミサイルたち　は　その　ふたつ　の　『 蜘蛛の巣 』　に　皆　突っ込む　・　・　・　皆　爆発する　・　・　・






ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　ず　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う　う






トゲのミサイルたち　は　その　ふたつ　の　『 蜘蛛の巣 』　で　皆　火球となる　・　・　・　皆　消滅する　・　・　・






こ　お　お　お　お　お　お　お　お　お　お　お　お　お　お　お






役目を終え　・・・　青い虚空に消えてゆく　・・・　青い　『 蜘蛛の巣 』






「よしっ！　・・・　一気に　カタ　を　つけるぞっ！」






きっ　と　眼下　の　小さくなった　蟹　の　群れ　を　にらむ　影風！






ば　ば　あ　あ　ん　ん　！　！





虚空　に　立つ　影風　の　青いビームウイング　が　しなるように　はねた



虚空　に　立つ　影風　の　青いビームウイング　に　“変化”　が　生じた



単葉　だった　翼　が　上下　に　わかれた



Ｘ（エックス）　の　かたち　の



複葉　と　なった！







じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　・　・　・　・　・　・　・　・　・






Ｘ（エックス）　の　かたち　の



複葉となった



青いビームウィングの



その　あいだ　に　あつまる



青い　プラズマ スパーク　の　かがやき！






じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　じ　・　・　・　・　・　・　・　・　・






『 飛びサル　の　ちから 』　　　


その　　　“レベル�U”　　　が


発動　　　を　　　はじめた








い　い　い　い　い　い　い　い　い　い　い　い　い　いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい　・　・　・　・　・　・












Ｓｈｅ　　Ｍｏｎｋｅｙ　　　　ＡＲＭＳ　　　　　　　　　　　　　　ｓｏｍｅ　ｔｉｍｅ ... 　　ｓｏｍｅ　day ...


ＮＥＸＴ