素顔 3 - 金魚  様

素顔3 〜ダブル’s真中〜


「どうしたの?つかさ??」

淳平は、見事に変わっていた

西野の求めていた真中淳平に

今までの自分とは180度違う

決して簡単に変わることのできない心を

薬の力によって・・・・・












つかさは黙って淳平を見つめていた

「つかさ、大丈夫?もしかしてどっか打ったとか??」

つかさは『ハッ』と我に返った

「何だよ、ボーッとしちゃって・・・しょうがない奴だなぁ〜」

そう言うと、淳平はつかさをぎゅっと抱き寄せた

「・・・!!?」

つかさはパニック状態

「わっわわわわ・・・・@*¥×◎ж・・」

「どうした?本当に大丈夫か?」

淳平はつかさの顔をじっと見つめる

つかさも淳平の顔をじっと見つめる

二人は見つめ合う

つかさの顔はいちご色だ

「照れた顔も可愛いね」

「え!!!!」

「世界で一番可愛いよ」

つかさは『本当にあの淳平くんなのか』と、じーっと食い入る様に淳平を見つめる

そんなつかさに対して淳平は

「つかさ、暇ならデートしよっか!」

淳平からデートに誘うなど、片手で数えても十分なほどだ

「ほらっ!!立って」

淳平はつかさの手を引っ張り、つかさは淳平に立ち上げられた

「どこかに行ってゆっくり話しでもしようよ」

淳平はそう言ってつかさの手を握り直し、歩いていった

つかさの心臓は、大太鼓の様に激しく鳴っていた











































ここは公園

淳平とつかさは噴水の淵に座って雑談していた

「・・・・でさぁ、そこで小宮山が・・・・・」

淳平は小宮山の話をしているらしく

つかさも少しは落ち着いたのか、いつもの笑顔が戻っていた

戻っていた・・・・・のだが





「やっぱつかさは笑った顔が一番だね」

「え!?」

「俺、つかさの笑顔、ずっと見ていたいな、つかさの笑顔は俺の幸せ」

つかさの顔は・・・いうまでもなく『例の色』になっている

今日は何度『例の色』になったことか・・・

「俺さ、ずっとつかさの彼氏だからな。だからつかさもずっと俺の彼女!」

「・・・・うん・・・・」

淳平の顔はゆっくりとつかさに近づいていく

つかさは固まっていた



が、唇が重なる瞬間

気づいたら、つかさは淳平を力いっぱい突き飛ばしていた

「あ・・・・・」

つかさは我に返ったが、もう、遅い

淳平の体はゆっくりと後ろに傾いていく























バッッッッシャァァン!!!!





























はでな水しぶきが飛ぶ

淳平の体は噴水に飲み込まれた

「淳平くん!!!」




しばらくして淳平は起き上がった


「ごめんね!急に、キスしようとしたから驚いちゃって」

つかさの言い訳は淳平には聞こえていなかった

「あれ?西野??」

淳平は完全にいつもの淳平に戻っていた

「俺、確かぶらぶら町ン中歩いてて、西野に会って・・それから・・・あれ??」

淳平は自分が何をしていたのか覚えてないようだ

「西野??」

「ううん!なんでもない」

長い沈黙が続く

「今日は帰った方がいいんじゃない?風邪ひいちゃうと困るし・・・ってあたしのせいかww」

つかさは照れながら言う

「あぁ、そうするよ。ごめんな、西野」

「ううん、あたしこそごめんね・・バイバイ!」


































公園にはつかさ1人となった

急いで駆けてく淳平の後姿を見つめながら・・・


「西野・・・・か・・・」

元の淳平に戻ってほっとしたのかがっかりしたのか

つかさは小さくため息をついた


「今日は戻っちゃったけど、明日はまた理想の淳平くんになってるかもしれないよねっ!」

自分に勇気づけるように言い、つかさも公園を後にした

いちごの容器を胸で抱きしめながら・・・



つづく