夢紡ぐ糸 第7話 迷い  - hira 様





「そういえば、東城もやっぱり彼氏がほしいの?」

「うん、人並みにはね、ただ、今は映画制作に夢中になっているから、探してる暇もない状態」

「彼氏かあ、う〜ん、日暮さんなんてどうかな。」

「え?日暮さんって西野さんがつとめてる店の? あの人けっこうかっこいいけど、あたし・・」

「かっこいい人は苦手?」

「うん」

「確かに外見かっこいい人だけど、それだけじゃないぜ。」

淳平は、日暮と初めてあった時のことを話した。

「そんなことがあったの。」

「うん、日暮さんはいまでもかっこいいけど、そういうところは変わってないと思う」

「そっか、会ってみようかな。 映画が完成したら紹介してくれる?」

「ああ、向こうにも伝えておくよ。」



淳平と綾が、ラブサンクチュアリの結果を知る数日前。

つかさも、同じ週刊誌のラブサンクチュアリの記事を読んでいた。

「泉坂高校で、一組だけの相性100%のカップル・・・」

「・・・・」

「ピ、ポ、・・」

「もしもし、外村くん? あたし、西野つかさだけど」

〔つかさちゃん? ひさしぶり〜、よく俺の番号覚えてたね〜〕

「うん、ちょっとたのみたいことがあって、・・・」

〔・・・OK わかった 調べてみるよ。でも、いいのか?。〕

「うん、どうしてもはっきりさせておきたいから。」



そして、つかさは外村から連絡を受けた後、店を早めに上がらせてもらって、外村の事務所に向かった。

「ごめんね、こんな遅くに。」

「いや、いつもこのぐらいの時間なら、まだいるからな。それで、話を聞いてきたんだけど、プライバシーの問題もあるから、個人名は教えてくれなかった。
でも、そのときの番号は教えてくれた。」

「1508だね。」

「ああ、・・でも確か東城は自分の番号を知らないはずだぜ。」

「たぶん間違いないと思う。淳平くんと相性100%なんて、東城さんしか考えられないもん。」

「確かに、そうだな。それで、これからどうするんだ?」

「しばらく考えてみるつもりだけど、たぶん・・・」

「でも、今のあの二人をみてても、二人の間に恋愛感情があるようには見えないけどな」

「恋愛感情がない・・か。」

「まあ、じっくり考えて答えを出せばいいさ、せめて今の映画が完成するまではな。」

「うん、わかってる」

(確かに、2人に恋愛感情がないのはわかっている。それでもあたしは・・・。)



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