夏の旅〜Part4〜 - TORO 様
5人は目の前に見えるカーブをずっと見ている。
その場所での不運な事故・・・・・・・・・・・・・・月飛が語ろうとしている。
だが、月飛自身もこのことを言うのが辛そうだ。
4人は月飛の口が開かれるのをずっと黙って待っていた。
「この坂は・・・・・・・・・・・・・・・・このカーブは・・・・・・・・・・・・・5年前にある一人の少女が交通事故で死んだんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
月飛の口がようやく開いた。
「5年前、この近くのレストランに来ていた小学校6年生の女子が帰り際にこのカーブに来て撥ねられたんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何で・・・・・・・・こんなところに足を運んだんだ???」
「このあたりは星がきれいだから、それを見るためにはレストランからじゃ見えないんだ。それでこのカーブまで出てきたところ・・・・・・・・・乗用車に撥ねられたんだ・・・・・・・・・」
「月飛・・・・・・・・・・・・・・・なんでそんな話を知ってるんだよ・・・・・・・・・・・・・・」
「撥ねられたのは俺が小学4年生のころだった。そのときの・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の彼女だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そんな・・・・・・・・・・・・月飛君。都水ちゃんや沙耶さんは知ってるの???????」
つかさは、えらく動揺している。
「私たちは、月飛と都水が付き合うヒトツキ前にその話を月飛がしてくれたんです。」
「そう・・・・・・・・・・・・・・その話を聞いて、月飛への思いが高まったんだ。人のために・・・・・・・・いつも悪を気取っているくせに、いざとなるとちゃんとかばってくれる月飛が好きで。その話聞いて月飛の弱さを知って、私が今度は月飛の心の重りをなくすんだと思って。月飛の役に立ちたくて、だめもとで告ったらOKしてくれて。」
「その死んだこの名前は??????????」
「秋月・・・・・・・・・・・秋月 愛羽(あきつき えいは)です。」
「月飛君。辛いのを分かってここにつれてきてくれたの????」
「もう、俺は辛くないですよ。俺のことを思ってくれる彼女がいますから。」
都水は涙を流しており、沙耶はすごくびっくりした顔で月飛を見ている。
「月飛・・・・・・・・ありがとう」
「月飛!!!!!!お母ちゃん嬉しいよぉ〜〜〜〜〜〜」
「神崎!!!!お前まだそれを・・・・・・」
「だって、あの『生涯独身宣言男の水翔 月飛』からこんな言葉二度と聞けないかも!!!!」
「やかましぃわ!!!!!!!!お前はその『お母ちゃん』を言うのをやめろぉ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」
「エッ!!!!!!これって『都水』にも使ってるし『愁檎』にはお姉ちゃんで使ってるしぃ〜〜〜〜〜〜」
「お前はこの前『愁檎』が電話したときのお前の母さんに言われたとおり、愁檎の嫁に行け(笑)」
「ハァ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!何で私が『自意識過剰ロンゲナルシストセクハラ大魔王、人形姫方目覚まし時計あきらめて黒板消し係』と付き合いさらに結婚せにゃならん????!!!!!!」
「なんか、前よりバージョンアップしてねーか?????」
「「お、俺たち(私たち)着いていけねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「今日は、アリガトね月飛くん」
「いえ、一度ここにつれてきたかったんです」
「こいつ、都水と一回来てるんですよ〜〜〜〜〜〜。まぁ、そこで何したかは知らないけど〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「何だよ。そこで何かしたような発言は・・・・・・・」
「さぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ね」
「分けわかんねぇ」
月飛は頭を抱え込んでおり、沙耶は口元に微笑をうかべ、都水はあきれている。
「アッ!!!!!!!そういえば、お二人はこれからどうするんですか????」
「そうだなぁ〜、ホテルも今日までだし。他のホテル探そうと思ってるんだけど」
月飛と都水が顔をあわせて笑っている。
「何だよ〜〜〜〜〜〜」
「ホテル探してるんでしたら、私たちと一緒に泊まりません?????!!!!」
つかさと淳平、沙耶は理解できてない。
「都水・・・・・・・・・それって『月飛』の家に泊まればって言ってるの??????!!!!!!」
沙耶はひどく動揺している。
「ううん。月飛の両親が旅行するから、月飛とあたしは『月飛の叔母さんが前住んでいた家』に行くんだ。もう誰もいないけど立派な家なんだって〜」
「泊まるところ探してるんだったら家にこんね。なんでもしほうだいバイ。何でもね」
月飛の顔は笑っているが目は笑っていない。
「沙耶も泊まろうよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヘッ!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????」
「何で??????????!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・私が泊まると二人の邪魔だよぉ〜〜〜〜〜〜」
「愁檎も呼べばいいじゃん。携帯あるから今からでも呼べるぜ」
「エッ!!!!月飛携帯あったの??????!!!私初耳だけど」
「別にお前に言わなくてもいいことでしょう」
「エ〜〜〜〜〜〜〜〜。都水知ってたぁ〜〜〜〜〜〜〜〜??」
「うん」
元気よくうなずく都水。
「そうか、都水にしか教えてないのかぁ〜そうだよね。彼女だもんね。僕には教えなくてもいいよね。・・・・・・・・そうかそうか」
今にも元気が無くなっていく沙耶。
「アドレス教えようか?????」
「うん!!!!!!!!ぜひ!!!!!!!!!」
アドレスを教えている月飛。月飛のアドレスを知っているのは都水と沙耶だけだ。
「よし!!!!!月飛のアドレスゲット!!!!!!」
「ということで、俺のアドレス知ったんだから、俺の叔母が住んでた家に泊まること」
「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・って何で〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
「だって、月飛のアドレス手に入れたんでしょ。いつどんなメール打つか私も心配だシィ〜〜〜〜〜」
「あぁ〜〜〜も分かったよ。泊まればいいんでしょ泊まれば。」
「いったな。よし。これで6人泊まることになったわけだ。じゃ、明日『ララ前』に集合!!!!!じゃ帰ろうぜ都水」
「うん!!!!!!!!!!」
「それじゃ、私も帰ります。明日ヨロシク〜〜〜〜〜〜〜」
月飛・都水・沙耶は帰っていった。淳平とつかさは・・・・・・・・
「月飛たしか『なんでもしほうだい』って言ってたよな・・・・・・・・・・・」
「うん・・・・・・・・・・・あの時の目笑ってなかったよね・・・・・・・・・・・・」
「なにかするきだろうけど。深く考えないでおこう。俺たちも帰ろうか。」
「うん!!!!!!!。あっそうだ淳平くん!!!!」
「ん???」
「月飛君たち『弁当おいしかったです!!!!』って笑顔で言ってくれたんだよ!!!」
「へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。やったな。」
「まだ、淳平くんから言ってもらってない!!!!」
「あぁ〜そうだったな。おいしかったよ。つかさ」
「エヘヘ・・・・・・・・・・ねぇ〜淳平くん。」
「どうかした??????」
「月飛くん達みたいに手つながない?????」
「そうだな」
夕日に二人のつながった手が映し出されていた。
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