R「幸せのかたち」15 - takaci 様



低気圧が猛威を振るう長崎の夜。


ホテル内でも激しい風雨の音がはっきりと分かるほどだ。





でも、この二人の耳にはその激しい音は届いていない。


ただ気になるのは、目の前にある愛する人の存在のみ。





ぼんやりとした光に照らされたホテルの一室。


淳平と綾は、一つのベッドの上で互いの身体を絡め合わせる。


二人とも身に付けるのは1枚の下着のみ。


異性の肌の感触を、全身で味わう。





淳平の唇は、綾の唇から耳たぶ、首筋へと徐々に下がっていく。


「はあ…  はあ…  」


綾の息遣いが荒くなっていく。





「東城…いいかな?」


淳平は身体を離すと、綾の両手首を優しく掴んだ。


綾の手は、自身の豊満な乳房を覆っている。


いわゆる『手ブラ』状態だ。





ぼんやりとした光の中で、綾は恥ずかしそうに小さく頷く。


それを確認した淳平は、綾の両手を上へとずらした。





(うわ…)


大きく、ふくよかな綾の胸があらわになった。


端正な形を保つ乳房。


淡いピンクに色づく、小さな乳首


淳平は二つの膨らみから目を離せない。





「あ…あんまり見つめないで…恥ずかしい…」


綾は両手で口を覆う。





「東城…凄く綺麗だよ…」


淳平の右手は綾の左胸を優しく揉み上げた。


「あん…  」


わずかな力でも淳平の指は食い込み、乳房は容易に形を変えていく。


でも手を離すと、元の端正な形に戻る。


信じられないほど柔らかく、また弾力がある綾の胸だ。





「はあっ!    あっ!     あはぁぁ    」


左胸の先端の突起を、淳平の唇が捕らえた。


軽く吸い上げ、舌先で突起の先端を軽く押す。


そして右胸の突起は親指と人差し指の腹で優しく転がす。




どんどん形を変えていく両胸の突起。




「ああ…   あ… はあ… あああ… あ…」


大人になりきれていない、まだ幼さが残る喘ぎ声。


それが淳平の気持ちをさらに高ぶらせて行く。


(もっと気持ち良くなって欲しい)


自然と唇に、指に力がこもって行く。


だが、





「はあ…   あ…   痛…   」


「あっ!と、東城ゴメン!!」


淳平は慌てて身体を離す。


「う、うん… その…始めは良かったけど… 少しずつ痛みが…」


申し訳なさそうに話す綾。


男を知らない綾の肌は、やや強めの愛撫には耐えられないほど繊細だった。





「ごめんね。俺もその…初めてだから、加減がよく分からなくって…」


「うん…」


「また、痛くなったら言ってくれよな」


「う、うん…ありがとう…」


淳平は綾への愛撫を再開した。


一箇所を重点に攻めるのではなく、少しずつ場所を変えて行く。


乳首の先端から周りへ、そして大きな乳房の峰と唇を這わしていく。


手も、力を入れず、あくまで優しく…


「はあ…  あ…  あん…   ああ…   」


綾の口から再び声が漏れ始めた。





(優しく…優しく…)


淳平は気持ちが高ぶり、真っ白になりそうな頭の中で懸命にこの言葉を繰り返していた。


先ほどの事で、ちょっとした事が綾に苦痛を与えてしまうとを改めて理解した。


期待も大きいが、不安もある。


まあ初めての男なら誰でもそうだろうが、


淳平は通常の男よりやや不安が強いかもしれない。





(美鈴のような思いはさせたくない。させる訳にはいかない)


ギプスを巻き、力無くベッドに横たわる美鈴の姿が淳平の脳裏に浮かぶ。


これが初体験の女性に与える苦痛の大きさを改めて意識させられた。


(何ともならないかもしれない、でも、痛い思いは出来る限りさせたくない)


そう思いながら、淳平の唇は下の方へと移動をはじめた。





唇と舌先はへそのすぐ脇を通り、徐々に下がる速度を下げて行く。


下がれば下がるほど、ほのかに漂うかぐわしい芳香が強くなる。


(…う…頭がしびれそうだ…)


淳平の思考を狂わせる『女性の芳香』。


その発生源である薄布の中央部に顔を埋めたい衝動に駆られる淳平。





(やだ…真中くんに知られちゃう…)


淳平の唇の動きに戸惑い、身体を堅くする綾の身体。


薄布の下は、湧き出した蜜で潤んでいる。


(恥ずかしいよう…でも…)


拒否したい気持ちが働く一方で、この先起こる事への期待もある。


戸惑いの中、何もせず、淳平に全てを委ねる綾だが…





(あれ?)


淳平の唇は純白の下着を通り過ぎ、腿に達した。


肩透かしを食らった綾は、すっと身体の力が抜けた。





淳平は綾の脚を軽く開かせ、そのふくよかな左腿に唇を這わす。


掌と唇で味わう、柔らかくかつ張りのある感触がとても心地良い。


「ああ…やだ、恥ずかしいよう…」


「えっ?」


「だってあたしの脚、太いもん。なんかスゴイ恥ずかしい…」


開かれた両足の間にいる淳平を、いじらしい目で見つめる綾。


「俺は別に太いとは思わないけど…」


「太いよお。だから長いスカート履いて隠してるんだから…」


「でもそれってちょっと勿体無いような…」


淳平は改めて綾の脚を眺めた。





本人が『太い』という脚だが、俗に言う『大根脚』ではない。


綾の場合、太いのは腿であり、ふくらはぎはとても細い。


だから長めのスカートで腿を隠す事で細い脚に見せるという『離れ業』が出来るのである(大根脚でこれをやったら脚の太さがより強調されるだけ)。


そもそも、その『太い』というのも高校生離れした細い美脚を持つ美鈴やつかさと比べての話である。





淳平にとって、綾の脚が太いと感じた事はなかった。


「やっぱ東城の脚のライン、すっげえ魅力的だよ」


淳平は脚への愛撫を再開した。


腿からふくらはぎへ、唇は下降していく。


「あ…真中…くん…」


「東城の脚、俺は好きだよ」


左のふくらはぎから、右のふくらはぎへ…


「あ…   あ…  はあ…   」


脚への愛撫でも、快感の声が漏れ出す綾。





左脚を下降していった唇は、今度は右脚を上昇していく。





腿の中ほど辺りから感覚が一気に鋭くなる。


(今度こそ…来てくれる)


先ほどの肩透かしにより、不安より期待のほうが大きくなっていた。


それを示すかのように、薄布で隠されたその下は『湿地帯』から『泉』に姿を変えていく…


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