天体観測 - UWANOSORA   様




午前2時
淳平は踏切の側で立っていた。
これから星でも見るのか、望遠鏡を持っていた。


「西野遅いな。先に準備しておくか。」


そう言って望遠鏡を組み立て始めた。

そこへ・・・


「ゴメン!淳平くん〜待った?」


西野が少し遅れて来た。
西野は「大丈夫かよ!?」っと思うほど大袈裟な荷物を背負ってきた。


「別に俺も今来たばっかだから・・・それよりその荷物どうしたの?」


「あ!これ?これはね寒いから温かい紅茶とか毛布を持ってきたんだよ。」


流石つかさだ。用意が良い。


「ヨシッ!準備OK!始めようか?天体観測!ほうき星を探して!」


つかさは満面の笑顔で・・・

「うん!」
と答えた。



















数十分後


「なかなか見つからないね・・・」


「うん・・・そうだな。そういや何で西野はほうき星が見たいの?」


突然の質問に西野は少し顔を赤らめた。


「え?そ、それはね・・・願い事があるからだよ。」


「は?願うって?ほうき星に?・・イテッ!」

少しからかい気味に訊ねた淳平の足をつかさが蹴飛ばした。


「も〜!!バカにしてるな!!」

つかさは顔をプクッとふくらませた。

(怒った顔もかわいいな〜)

「そんなことないよ。で、何願うの?」


「え?そ、それは・・・秘密だよ・・・淳平くんは?」


「俺か〜俺はね・・・」






(西野とずっと一緒にいたい。なんて・・・)


















「西野とずっと一緒にいたいかな・・・・ん?あ!しまった〜つい・・・」

淳平は思ったままのことを口にしてしまったことで凄く焦ってる。

「ゴメン!西野!イキナリ!・・・って西野?」


「・・っ・・んっ・・・ぐすっ・・・」

つかさは両手で顔を覆って泣いていた。


「わーっ!泣くなって!悪かったよ!ゴメン!」


「んっ・・・違っ・・淳平くんが・・・願いが同じで・・嬉しかったから・・・」

そう言うと最高の笑顔を淳平に見せた。


(かわいい〜!!この笑顔をずっと、ずっと守っていきたい。)


「西野、俺さ・・・その・・・好きだよ・・西野が・・」


「淳平くん・・・あたしも淳平くんが大好きだよ・・・」


別れて以来すれ違っていた想いが再び一つになった。


「西野・・・」


「淳平くん・・・」


美しい星空の下で二つの影が重なった。

































そして


「あのさ西野、その・・・大丈夫?痛そうだったけど?」


「うん・・・ちょっと・・・」


「ゴ、ゴメン・・・」


「あ!気にしないで!痛みなんかより淳平くんと一つになれた喜びの方が遙かに大きかったから・・・」

「西野・・・ありがとう」


2人は今一緒に毛布にくるまっている。
愛し合う2人は誰にも止めることは出来ない。
肌を重ねるのも当然の結果である。


「あ!見て、淳平くん!」


「何?西野?」


「あれ、ほうき星じゃない?」


「どこA?あ!本当だ!やったじゃん!西野!」


「さ、早くお願い事しよう!」


「ああ!」


2人は手を合わせ心の中でつぶやいた。





((2人の愛が永遠に続きますように))





〜fin〜