通学路 - つね   様



『通学路〜行き掛けの道』




いつものように学校への通学路を歩く


そんな中、目に入ってきたのは今は遠い後ろ姿


風に揺れる金色のセミロングの髪


別れを告げられてから


失ってからその大切さに、彼女への強い想いに気付く


『もう一度やり直したい』


次は悲しませたりしないから


だから今君と話したい


あと数十メートル先にある十字路


僕の通う学校へはそこを真っ直ぐ


君の通う学校へはそこを右に曲がる


十字路までに追い付かなければ話は出来ない


一度別れたのに右へ曲がり、君についていくなんて図々し過ぎる


走って追い付こうなんて図々し過ぎる


だからごく自然に


それでも追い付くために早足で


君との距離は本当に少しずつ


少しずつ縮まっていく


あともう少し


あともう少し


そう思っているうちに十字路へ


君の後ろ姿をただ呆然と見送る


今日も君と話せない


そんな行き掛けの道

















『通学路〜帰り道』




君に偶然出会ったりしないかな


そんな淡い期待を抱いて歩く


僕の通る道には君の学校の制服の人がたくさんいる


でも君はいなくて


歩くペースをわざと遅くしたりして


君を探すけど


それでも君はいない


いつの間にか家の前に立っていた


今日も君に会えない


そんな帰り道



END