2004夏・赤丸ジャンプ読みきり「しーもんきー」といちご100%の二次創作
strike blue 様
S M EYEWITNESS
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
よく整備された専用軌道の 軽やかな小気味良いジョイント音が響く
小気味良いジョイント音の合間をぬって 懐かしい古風な 吊り掛けモーター の 唸り声が床下から聞こえる
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
近年 新製された この『 軽快電車 』は 直線基調で 正面一枚窓 の モダンなデザイン
直線の車体に合わせた グリーンの帯を締めるボディカラーと相まって その 『 軽快電車 』 の名に 恥じないモノだが ・・・・・・
じつは 床の下のメカニズムは ・・・ 二軸の車輪を収めた台車も それを回すモーターも それを制御する機器類も ・・・
この 街 が かつて 『 帝都 』 と 呼ばれていた 時代のシロモノ である
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
『 帝都 』 と 呼ばれていた 時代 に 造られた旧い車両 から まだまだ 使える 台車やモーター、機器類を譲り受け
車体 のみ を 新製 した 『 車体更新車 』 と 言われる 車両 なのである
それゆえ PC枕木(要はコンクリート製の枕木)で現代的に整備された軌道が刻み出す 軽やかなジョイント音と
旧い されど 善き 昭和モダニズム が 創り出す、 懐かしい響き の モーター音 が デュエット する という
なんとも 珍妙な 走行音 が 出来上がるのである
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
もっとも ・・・
『 昭和 』 と 呼ばれた 時代 が はるか 昔 となった この 新世紀の現代 に
この電車の 由来 などを 気にしながら 乗り込んでいる 乗客 は
ほんの一部の カルトな 「 鉄ちゃん(てっちゃん…鉄道マニア) 」 ぐらいなモノで ・・・
ほとんど 全て の 乗客 に とって ・・・ この 電車 は この 走行音 が 当たり前 であり
日常の・・・ いつものサウンド・・・ いつものリズムなのだ・・・・・・
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
夕方のラッシュは 済んだはずだが ・・・
たった一両の 小さな車体の 『 軽快電車 』 の 車内 は こんでいた
誰もが 嫌がる 満員の 狭い車内。
誰もが 嫌な こんでいる 小さな電車 の 狭い車内。
こんな 車内 を 好むのは 車内 で 不届きな行為を 行おうとする
犯罪者
の 類(たぐい) ・・・
あるい は
その 輩(やから) ぐらいな ものであろう ・・・・・・
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
で ・・・ なければ ・・・・・・
こんでいる と云う 事実 を 口実 に
互い の 身体 を 寄せ合う 事 を
いつでも どこでも
どんな ときでも どんな ところでも
いつも いつも いつも・・・
望んでいる ・・・
よろこび と している ・・・
恋人たち
ぐらいな モノ であろう ・・・・・・・・・
たたん たたん 「あああん」 たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん 「ああぁぁんん」 たたん たたん
たたん たたん 「んんんん」 たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん 「いやぁぁんん」 たたん たたん
たたん たたん 「だめえん」 たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん 「やあぁぁんん」 たたん たたん
ん ?
なんだろう ?
よく整備された専用軌道に 軽やかな小気味良いジョイント音が響く
小気味良いジョイント音の合間をぬって 懐かしい古風な 吊り掛けモーター の 唸り声が床下から聞こえる
しかし
その 間隙 を 縫って 聞こえる
聞こえて来る
その せつない おんな の こえ が 聞こえる
聞こえて来る
たたん たたん 「きゃうん」 たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん 「きゃぁぁんん」 たたん たたん
たたん たたん 「んんんん」 たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん 「んんゃゃあん」 たたん たたん
たたん たたん 「だめえん」 たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん 「やあぁぁんん」 たたん たたん
押し殺しして
精一杯に 押し殺して
こえが 出ないように
精一杯に 押し殺して
でも
押し殺しても
押し殺しても
高ぶる 激情 は
襲い来る 快感 は
下腹部 から
背中の髄 を 駆け登り
津波の様に
脳漿 を 襲い
彼女 に
おんな の
よろこび の
こえ を
溢れ
出させて
いた
「 はあ はあ はあ ・・・・ きゃああ ・・・・ だめ ・・・・ やめて ・・・ うあああ ・・・ いやあ ・・・ いやだよおおお ・・・ ・・・ ・・・ 」
制服 の おんな が ・・・ からだ を よじった ・・・ いや ・・・ もだえた の かも しれない
「 そうか ・・・ そんなに いやか ・・・ いやなら ・・・ じゃあ ・・・ 止めるぞ ・・・・・・ 」
すっ
学生服 の おとこ は
制服 の おんな の 背中から 回していた 両手 を 離した
ぬちゃ
右手 の 人差し指 と 中指 が ソコ から 引き抜かれた
「 あう 」
おんな の 背中 が 一瞬 しなる
「 はあ はあ はあ はあ はあ はあ 」
おんな の 呼吸 が ・・・ あらく ・・・ あつく ・・・ あがる ・・・
「 はあ はあ はあ はあ はあ はあ 」
学生服 の おとこ は
制服 の おんな を 降車口の 両開き の 扉 に 押し付け おんな の 背中 に 身体 を 密着 させていた
そして ・・・
左手 は おんな の 人一倍 豊満な その 胸 に ・・・
それも 制服 の 胸のボタン を 外し ・・・ 直接 左の掌を ・・・ 中に ・・・ 素肌の乳房に ・・・・・・・・・
そして ・・・ そして ・・・
右手 は おんな の 制服のミニ の 中 に ・・・
やわらかな丘の 秘密の草原 を 掻き分け ・・・
その 奥 の ・・・ 神秘の泉 に ・・・ 二本、 指 を 入れ ・・・
あふれ出る ・・・ あつい ・・・ 泉の水 を ・・・ かき回して ・・・ かき回して ・・・ かき回して ・・・ ・・・ ・・・
「 はあ はあ はあ はあ ・・・ ・・・ いやあ ・・・ 」
おんな は 辛うじて 立っていた
赤く 汗ばんだ額 を ステンレスの 扉 の 窓 に 押し付けて
燃え上がる唇 から 吐き出される 熱い切ない吐息 で 扉 の アクリル の 窓 が 曇っていた
「 はあ はあ はあ はあ ・・・ ・・・ やめちゃあ ・・・ いやああ ・・・ 」
おんな が ・・・ 赤く 汗ばんだ顔 を 僅かに おとこ に 向けて ・・・ おとこ に 懇願 する
燃え上がる唇 から ・・・ おんな の 意外な せりふ が 吐き出される
「 ん ? なんだって ? よく 聞こえないな ・・・・・・ 」
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
「 はあ はあ はあ はあ ・・・ ・・・ とちゅう で ・・・ やめちゃぁぁ ・・・ いやだよおおぉぉぉぉ ・・・ 」
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
「 はあ はあ はあ はあ ・・・ ・・・ おねがい ・・・ ほ ・・・ ほし ・・ い ・・ よううぅぅ ・・・ 」
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
「 ん ? なにが ? ・・・ なにが 欲しいんだ ??? 」
すっ
おとこ が ふたたび おんな の 細い腰 に 両腕 を 巻きつける
おんな の 熱い身体 に
おとこ の 冷たい身体 が 重なり合う
おんな の 細いうなじ に おとこ が 冷たい唇 を 滑らせた
すううう
「 ひゃあああんんん 」
びぃくぅぅぅっ
おもわず おおきな こえ で おんなが ・・・ おんなが ・・・ おんなが ・・・
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
「 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ が ・・・・・・ ほ し い ・・・・・・ よ う ・・・・・・ 」
おんな の くちびる が ・・・
「 きこえないな ・・・ 」
すううう
おとこ の くちびる が ・・・
「 あうん! 」
「 いってごらん 」
くちゅちゅ
おとこ の ゆび が ・・・
「 きゅううう ・・・ くぅ ・・・ ああ ・・・ 」
「 いっちゃえよ ・・・ なんだって ?? 」
ちゃぷう
また ・・・ いずみ を ・・・
「 ああ ・・・ ・・ お ・・ ち ・・ んんん 」
「 お ・・ ・・ ち ・・ ・・ ん ・・・ それから ? 」
ふっ
うなじ に ・・・ つめたい ・・・ いき を ・・・
「 はっ ・・・ ああ ・・ ・・ ・・ ・・ ち ・・ ・・ ん 」
「 だれの ? 」
つつううう
おんな の 背中 を 撫でて 駆け下りる ・・・ おとこ の 左 の 人差し指 ・・・
「 ! かあああ ! 」
おもわず また おんな ・・・ おおきな こえ ・・・ ・・・ ・・・
「 ねぇ? ・・・ だれの ? ・・・ ・・・ ・・・ 」
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
「 はあ はあ はあ はあ ・・・ ・・・ ・・・ ま ・・・ まなか ・・・ さま ・・・ の ・・・ ・・・ ・・・ 」
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
「 いい子だ ・・・ ごほうび を あげるよ ・・・ こずえ ちゃん ・・・ ・・・ ・・・ 」
S M EYEWITNESS
ぴいいいい ・・・ ぴんぽーん ぴんぽーん ・・・ がらららら ・・・
チャイムな警告音 と ともに ステンレス の 両開き扉 が 開いた
とととっ ・・・ たたたっ
すこし 小走りに おとこ と おんな が 低いホーム に 降り立つ
ぴいいいい ・・・ ぴんぽーん ぴんぽーん ・・・ がらららら ・・・
ぷぁん ・・・ しゅう ・・・ どっ ・・ があああぁぁぁあああぁぁぁ ・・・ たたん たたん たたん たたん たたん たたん ・・・・・・
チャイムな警告音 ・・・ ステンレス の 扉 が 閉まる
短い発車のタイフォンと共に ブレーキエアーを 吐き出す
直接制御 の 軽いショック を 伴なって 吊り掛けモーター が ゆっくりと 転がり出す
良く整備された PC枕木の軌道 を 軽やかに 歌わせながら
『 帝都 』 の 時代 を 知る 『 軽快電車 』 が 去って行く
たたん たたん たたん たたん たたん たたん ・・・・・・
ゆるやか な 左カーブ を 曲がって ・・・ 『 軽快電車 』 の 赤い尾灯の輝き が 見えなくなった
「 はっ ・・・ はあ はあ はあ はあ ・・・ 」
おんな は もう ずっと いき が あつく 上がっている
「 ・・・ ・・・ ・・・ 行こうか ・・・ こずえ ちゃん ・・・ 」
おとこ が おんなの細い腰 に 左腕 を 回し 寄り添い ながら
低いホーム の 端 の スロープ を 降りようとした ふたり を ・・・ 呼び止める 声 が あった ・・・・・・
「 おい! ・・・ 待ちやがれっ ! ・・・ てめえ ・・・ 電車の中で 人目も はばからず とんでもねぇ コト してやがって ・・・ 」
呼び止める 声 に ・・・ おんな を 連れた おとこ が 振り返ると ・・・・・・
けっこう 男前 で 背も高く 体格 にも 恵まれた やや 長髪 の 学生服 の 男 が いた
「 よお ・・・ てめえ ・・・ そのコ を どこに 連れ込む つもりだ? ああん?? 」
そして もう ひとり ・・・ ロング の 金髪 の これも 背の高い 体格 の 良い 同じ 学生服 の 男 が ・・・・・・
「 なあ 貴也ぁ ・・・ こういう 破廉恥ヤロー は ・・・ どう いたしましょう ねぇ ? 」
金髪ロン毛 が やや長髪 に ワザとらしく 問い掛ける
「 そんなもん ・・・ 決まってるダロ ! ・・・ こういう ヤツァ ・・・ こうやって 『 修正 』 するのさ ! 」
ぽきき ! ぽきききき !!
指の節を 鳴らしながら やや長髪 が 近づいて行く
その うしろ から 金髪ロン毛 が はやすように 言う
「 おーい おぼっちゃん ! コイツ に 『ごめんなちゃい』 するなら 早くしろぅ ・・・ なにせ コノ 貴也 は ・・・ 」
ぐ ば あ あ ん !
ご う っ !
ひ ゅ う っ !
「 え ? 」
言いかけた 金髪ロン毛 の すぐ 脇 を ものすごい 勢い の 何かが 飛んで行った
金髪ロン毛 の その髪 が 飛んで行った ソレ が 起こした 烈風 で 後ろに なびいた
が っ し ゃ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ん ん ん ! ! !
金髪ロン毛 の 後ろ で なにか 大きな モノ が ぶつかる 音 が 轟いた
「 ・・・ ぐげえぇぇええ ・・・・・・ ぇ ・・・ ・・・ ・・・ 」
金髪ロン毛 が 振り返ると ・・・ ホーム の 反対側 の 端 に 張ってある 鋼鉄のフェンス に
ソノ 貴也 と 呼ばれてた やや長髪 の 男 が 背中から 叩き付けられ そのまま 張り付いていた
ぴくくっ ・・・ ぴくぴくっ ・・・ ぴく ・・・ ぴく ・・・・・・・・・
そして 数回 ・・・ 手足 を 痙攣( けいれん )させて そして ・・・・・・ まったく 動かなくなった ・・・・・・・・・
「 な ? ・・・ なん ?? 」
金髪ロン毛 の 脳 が 目の前 の 事実 を 分析 出来ないでいる ・・・ と ・・・
ふわっ
「 えっ ? ・・・ えっ ? 」
金髪ロン毛 の 世界 が 右90度横倒し に なった
ひ ゅ う う う !
「 ひ 」
ぐ ば き い っ !
「 ぐ 」
だ だ ん ・ ・ ・
金髪ロン毛 の 見ていた世界 は 永遠の暗闇 で 閉ざされた
金髪ロン毛 は 反対側 の ホーム の コンクリートの架線柱 に
脳天 から 真横に 叩き付けられ
首 が あってはならない 方向 に へし曲げられ
そのまま アスファルト の ホーム に へたり落ち倒れて ・・・ もう 二度と ・・・・・・ 起き上がらなかった ・・・・・・・・・
「 ふん 」
おんな を 連れた おとこ は ・・・ ひとつ ・・・ 鼻 で 笑った
「 さあ ・・・ 今夜 は どこにする ? ・・・ 『 英国貴族 』 ? ・・・ それとも 『 シャン ポワーヌ 』 ? ・・・ 」
おんな を 抱き締める おとこ は ・・・ 何事も無かったかのように ・・・ おんな に “ 行く先 ” を 問う
「 うん ・・・ 真中さま の ・・・ 行く ところ ・・・ ・・・ ・・・ 」
おとこ に しな垂れる おんな は ・・・ 何事も無かったかのように ・・・ おとこ に “ 行く先 ” を 委ねる
「 じゃあ久しぶりに ・・・ 『 浪漫飛行 』 に しようか ・・・ アソコ には “ 三角木馬 ” も “ 逆さ十字架 ” も 有るし ・・・ 」
そう言った おとこ が おんな を 左腕 で 抱き寄せながら ホームのスロープ を 降りた ・・・ そのとき ・・・
ぱ あ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ ・ ・ ・
数キロ 先の 泉坂駅 の 方向 の 天空 が 真昼 の よう に 明るくなった ・・・ そして ・・・
し ゅ う う う う う う う う ぐ お お お お お お お お お ご ご ご お お お お お む む む う う う う
一条 の 金色の 光の矢 が ・・・ その先には 金の球 が 見えたようだった ・・・ 天空 から 舞い降りた
ど お お お お お お お お お お お お ご ご お お お お お お お お お お お お お む む む う う う う う う
「 ほお ・・・ 」
おとこ は ・・・ 真中淳平 は ・・・ 左腕 に おんな を ・・・ 向井こずえ を 抱きながら
美しい 金色 の 光 の 降臨 を ながめて つぶやいた
「 “ 千年皇子 ” の “電鋼スパーク” か ・・・ 誰かが “ 三代目 ” を “継承” したな ・・・・・・ 」
ど ご ご お お お お お お お お お お お お お ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「 “ キャンサー の ババア ” が ・・・ いつまでも 眠りこけているから ・・・ それみろ ・・・ こう云うコトになる ・・・・・・ 」
ず ず ず ず ず ず ず ず ず ず ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「 まあ ・・・ 退屈しのぎには ・・・ ちょうど 良いか ・・・ おんな を 喰いまくるのにも ・・・ 飽きてきたしな ・・・・・・・・・ 」
こ お お お お お お お お お お お お お お お お ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「 “ 蜂矢 の ねえちゃん ” は ・・・ さぞかし 焦っているだろう な ・・・ 少し 助けてやるか ・・・・・・・・・・・・ 」
天空 から 舞い降りた 金色の光の矢 が 僅かな 残光の尾 を 残して ・・・ 消えた ・・・
再び 春の天空 は 青い闇 の 夜空 に もどっていった ・・・ ・・・ ・・・
「 おい! ・・・ オマエら ・・・ “いつものように” ソイツら を ・・・ キレイに 片付けておけ ヨ ・・・・・・ 」
真中淳平 は 背後 の ホーム が 創り出す ・・・・・・ ほの暗い 赤黒い闇 に 語りかけた ・・・・・・
「 感謝しろよ ・・・ こうやって オマエら の “素体(ベース)” を ・・・ “提供”してやってんだからな ・・・ この ‘俺’ が ・・・・・・ 」
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・・・・ いくつもの 妖しい 赤い影 が ・・・・・・
「 世 が 世 なら ・・・ ‘俺’ は ・・・ 『 この国 を 救った 英雄 』 として ・・・ 祭られていなきゃならんのにな ・・・・・・・・・ 」
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・・・・ 怪しい 赤黒い闇の なか から ・・・・・・
「 すべては 無かった事 として ・・・ ‘俺’ は ・・・ ‘俺たち’ は ・・・ 『 この国 の 歴史 』 から ・・・ 抹殺された ・・・・・・・・・ 」
ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・ ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・
「 キレイさっぱり ・・・・・・ ‘みんな’ ・・・ なんのために ・・・ 死んで逝ったのか ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・」
ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・ ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・
「 キレイさっぱり ・・・ あとかた も 無く ・・・・・・・・・ オマエら ! ・・・ ちゃんと ・・・ 片付けろよ !!! 」
ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・ ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・
「 いこお ・・・ ・・・ 真中さま ・・・ ・・・ 今夜 も ・・・ 精一杯 ・・・ 御奉仕 いたします ・・・・・・・・・ 」
背後 で 繰り広げられる ・・・ バケモノ どもの 残酷な饗宴( きょうえん ) を ・・・
いささかも 驚かず ・・・ 「 いつもの コト 」 と 一瞥 ( いちべつ ) する ・・・ 向井こずえ
「 ・・・・・・ そうだな ・・・ たのしもうか ・・・・・・・・・ 」
「 ・・・ は い 」
初々しく 頬 を 赤らめ うなづく ・・・・・・ なんの 疑い も なく ・・・・・・ ただ うなづく
この顔が ・・・ 真中淳平 の 今一番 の お気に入り だった ・・・・・・・・・
こつ こつ こつ こつ こつ こつ こつ こつ こつ こつ ・ ・ ・ ・ ・ ・
た た た た た た た た た た た た ・ ・ ・ ・ ・ ・
リズム が 異なる ふたつ の 靴音 が 寄り添って・・・ 青黒い小道 の 闇 に 消えていく ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・ ぽりぽり ・・・ ぽりぱり ・・・ ぽりぱりぽり ・・・ ぱりぱり ・・・ ・・・ ・・・
やがて ・・・
フェンスの下 と 架線柱の下 で 開かれていた ファナテック な ディナー は 終わる
そして ・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・・・・ 妖しい 赤黒い闇の なか へ ・・・・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・・・・ いくつもの 怪しい 赤い影 が ・・・・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・・・・ 吸い込まれ 溶け込む ように ・・・・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・・・・ 消えてゆく ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ たたん たたん たたん たたん があああぁぁぁあああ
よく整備された専用軌道の 軽やかな小気味良いジョイント音が響いてくる
小気味良いジョイント音の合間をぬって 懐かしい古風な 吊り掛けモーター の 唸り声が 遠くから聞こえてくる
たたん たたん たたん たたん ・・・・ ぴしゅうううう ・・・・ ぎゅいいいいいいぃぃぃぃぃぃ ・・・・・・・・・
搾りあげるような ブレーキ音 を 響かせて 『 軽快電車 』 が 停留所 の ホーム に 止まった
ぴいいいい ・・・ ぴんぽーん ぴんぽーん ・・・ がらららら ・・・・・・・・・
チャイムな警告音 と ともに ステンレス の 両開き扉 が 開いた
とととっ ・・・ たたたっ ・・・ たたたっ ・・・・・・
何人かの 乗客が 低いホーム に 降り立ち スロープ を 降りてゆく
ぴいいいい ・・・ ぴんぽーん ぴんぽーん ・・・ がらららら ・・・
ぷぁん ・・・ しゅう ・・・ どっ ・・ があああぁぁぁあああぁぁぁ ・・・ たたん たたん たたん たたん たたん たたん ・・・・・・
チャイムな警告音 ・・・ ステンレス の 扉 が 閉まる
短い発車のタイフォンと共に ブレーキエアーを 吐き出す
直接制御 の 軽いショック を 伴なって 吊り掛けモーター が ゆっくりと 転がり出す
良く整備された PC枕木の軌道 を 軽やかに 歌わせながら
『 帝都 』 の 時代 を 知る 『 軽快電車 』 が 去って行く
たたん たたん たたん たたん たたん たたん ・・・・・・
曲がっていたはず の ホーム の 端 の フェンス は ・・・・・・ もとどうり に ・・・ 何事も 無かった かの ように ・・・・・・・・・
砕かれ飛び散った 脳髄 が へばり付いていた 架線柱 は ・・・・・・・ キレイ に ・・・ すべては 無かった コトの ように ・・・・・・・・
そして ・・・ ふたり の 恵まれた体格 の 男子学生 の 姿 は ・・・ もう ・・・ 何処にも無かった ・・・・・・・・・
しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・ しゅわしゅわ ・・・・・・・・・・・・
かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・ かさかさ ・・・・・・・・・・・・・・・
She Monkey EYEWITNESS some time ... some day ...
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