「ONE LINE」 - 明日(めいび)様 


背中越し、西野の鼓動が伝わっている。




速くて―――熱い――――――頭の中に響くような、鼓動。








「ねえ、あたしたち、つきあってるんだよね・・・?」



背に西野の温かい手のひらと、柔らかいふくらみを感じる。




「だ・・・って、俺・・・・・・こんな気分のままじゃ、かなり・・・やばいし・・・」



「いいの。―――もうずいぶん時間、経ってるけど、淳平くんを以前家に呼んだとき・・・
 
 あの時からこーゆーこと、考えてたかも・・・・・・」







こういうこと、



それは、俺が期待していたコトのはずだった。








「で、でも、前に俺が雰囲気に押し流されそうになったら西野は・・・」



「今は―――押し流されたらどうなるのか知りたいの・・・・・・」









西野の右腕が俺の前にまわり、シャツの上から左胸に手をあてる。





心臓の拍動はさっきからどんどん速くなり、頭と下半身に血液を送り続けていた。










「だから・・・淳平くんがしてみたいこと・・・・・・




 なんでも、していいから――――」












してみたいこと、して見たい事、シテミタイ・・・・・・コト。






















   ついに俺は――――――



             ――――――コワレタ。